東京サッカー [TOKYO FOOTBALL]

写真:東京カップを制し今季リーグ戦に臨む南葛SC。

 

COLUMN

南葛、夢実現へ描く成長プラン 岩本GMに聞く(上)

|後藤勝

JFLに上がるタイミングは……

 東京都社会人サッカーリーグ3部で優勝を果たしたのは2015年度のこと。そこからは成長のスピードを重視し、急いでカテゴリーを上げてきた。3年がかりで都リーグ1部および関東社会人サッカー大会の難関を突破、2021年にはわずか1年で2部を突破。2022年から関東サッカーリーグ1部に参加している。ここで全国地域サッカーチャンピオンズリーグを突破すると次の舞台はJFLとなるが、現在、葛飾区内にはJFLの公式戦を開催出来るスタジアムがない。

 しかし新スタジアムに加え、現在は奥戸総合スポーツセンター 陸上競技場が天然芝に改修されることが決まっている。もちろん改修後はJFLでも使用出来るようになっていて、南葛にとっては選択肢が増えた状況だ。奥戸でJFLの試合を開催しながらJリーグをめざし、新スタジアムのこけら落としを迎えたところで、南葛を盛り上げようとする機運がより高まるのではないかという予感が漂う。

写真:天然芝に改修される奥戸総合スポーツセンター陸上競技場(現:人工芝)

天然芝に改修される奥戸総合スポーツセンター陸上競技場(現:人工芝)

「新スタジアムの完成まで最短で4年、最長で5年ぐらいの感覚。なぜかというと既存のスポーツ施設が元になっているので、土壌の調査などが最低限で済む。これが工場の跡地だとそうはいかない。座組も含めてポンポンと決まったら、4年、5年で出来ると思う」

 その点で言えば、じっくりと風間八宏新監督による「ボールはともだち」を実践する新しいフットボールを仕込んでいき、熟成するまで時間的に一定の猶予がありそうだが、JFL昇格に関しては、新スタジアムが出来るまでという内的な目標を立てているという。

「すごく正直なことを言うと、スタジアムが出来るまでの間にあとひとつだけ上がりたい。たとえばJFLの時に新スタジアムのこけら落としがあると、そこでものすごく盛り上がる。その盛り上がりも含めて力にしてJリーグに上がっていこうとする時、あるいはJリーグに加入出来たという時にも、たぶんすごい(人気の)山が出来る。サッカークラブは、特に下から始めていく場合は、成長を一緒に味わってもらうというのが一番重要なところだと思っている。そういう意味で言うと、Jリーグに上がってからスタジアムが出来るよりも、JFLの時にスタジアムが出来たほうが(JFLとJリーグで)2回盛り上がれるからいい」

 今年、アカデミーも含めて南葛の事業規模は約5億円になったという。2020年の段階でJ3平均が約3億円であったことを考えると、このまま成長を続けて事業規模を拡大していくと、J2クラブ並の約10億円も見えてくる。そのタイミングで新スタジアムが完成すれば、南葛熱はさらに増す。

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