CERVEZA、序盤の1失点に泣く
写真:終盤、ゴールに迫るCERVEZAのFW中島。
【関東大会1回戦】YOKOHAMA FIFTY 1-0 CERVEZA
YOKOHAMA FIFTY CLUBとCERVEZA FC 東京、まだどちらのものでもない時間帯の前半8分。この試合1本目の右コーナーキックをFIFTYのFW大久保が頭で決めて先制すると、それがそのまま決勝点になった。力の差はなかったものの、CERVEZAは序盤のスコアがつくったゲームの流れを覆すことが出来なかった。
FIFTYの攻撃は長いボールが中心。スペースに蹴って10番のFW友澤を走り込ませるか、高いボールを大久保に収めさせて時間をつくった。1点をリードしている以上、リスクを負って攻め込む必要はない。同点に追いつくべくボールを支配し、パスをつなぐCERVEZAの攻撃を受け止め、カウンターに転じるかたちでじっくりと試合を進めた。後半の終盤には大久保が声でチームを鼓舞、快速のMF船迫らのスピードで勢いを盛り返し、反撃の機運を消した。
内容的にはCERVEZAのいいところが目立った。敵陣でFW前田が起点となり、そこから周囲の選手が関わりながら、屈強なFW浅田がサイドに流れてゴール前にクロスを送った。前半29分には相手のパスをかっさらうショートカウンター、35分には左サイドから右サイドへとピッチを横断するパスワークでFIFTYのゴール前に迫った。しかしシュートを撃つ前に止められ、あるいはシュートを正面から受け止められ、最後の最後で崩し切ることが出来ない。45分には右サイドバックの黒木が左から強いシュートを撃つがニアで弾かれる。GK内藤をはじめとするFIFTYの堅守に手を焼いた。
後半、CERVEZAはFWの金島、大木、中島を次々に投入するが、前半失点直後に浅田と前田のコンビが躍動していた時間帯以上のリズムをつくり出すことが出来ず、大会初勝利をめざし粘り強い守備をつづけたFIFTYに完封負けを喫した。
(後藤勝)
石割監督「向こうのほうが勝ちにふさわしい試合をした」
もし攻撃の手数を比較するとするならCERVEZAの判定勝ちだろう。しかし勝負はそこでは決しなかった。「相手はあまり前から来ないけれど、最後のところで気持ちが伴ったプレーをしていました。どんなときも大久保君が声を出して、向こうのほうが勝ちにふさわしい試合をしたということだと思います。自分たちの持てるリソースで相手の嫌がることをするというのがサッカーですから、FIFTYさんは私たちの出方がわからない状態から試合中にどうやればいいかを考えて、最初の1点を活かして次の1点をどう獲るか、あるいは失点しないかというサッカーに徹することが出来ていた」(石割監督)
それでも多くのチャンスのうち1本を決めていれば90分で負けることはなかったが、この日のCERVEZAはゴール前での決め手を欠いた。高い位置でボールを回しながらクロスを入れつつ、ブロック守備の間にクサビを入れてミドルシュートを狙う二段構えの意図はあったが「やる位置が低かったですね。もっと危険な位置から攻めていれば(ゴールの)確率が高いところでプレー出来た」とFW浅田が反省するように、あと一歩の気持ちが足りず、逆に最後の最後、際のところでは足が出てくるFIFTYの守備を上回ることが出来なかった。
関東社会人サッカー大会 1回戦
- YOKOHAMA FIFTY 1-0 CERVEZA
【得点者】
8分 大久保 哲哉(YOKOHAMA)
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