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写真:大前のFKが決まり同点に追い付いた南葛。

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芸術的FK弾の大前「3位の可能性ある」と前向き

写真:大前のFKが決まり同点に追い付いた南葛。

MATCH REPORT後藤 勝

<関東1部:東京23FC 1-1 南葛SC>

2位の東京23FCを相手に一歩も引かず、南葛SCが勝点を分け合った。前半のキックオフから互角の戦い。後半3分、東京23MF小林にPKを決められ1点を先行されたが、気を落とすことなく相手ゴールに迫りつづけ、9分後の後半12分、FW大前が直接フリーキックをゴール左に突き刺し、同点に追いついた。殊勲の背番号88はあの一撃を次のように振り返った。

「中に上げる選択肢もあったし、どっちも可能性がある助走で蹴れて、うまく入ってよかった。助走と中の目線で壁がだいぶズレたので、そこは狙った」

【ハイライト】東京23FC 1-1 南葛SC

上にも下にも勝点差が少ない状況。ややもすると残留争いも視界に入ってきかねないことを考えるとその意味でもこの1ポイントは貴重だが、大前の視線は下ではなく上を向いていた。

「ここで負けるのと1ポイント獲るのとでは、また違うと思う。勝てればベストだったけれど、まだ3位というところは全然可能性がある。あと2試合しっかり戦って勝てればいい。降格とかいうことよりは、3位になることを考えて、勝点を獲れるように頑張っていきたい」

両チームの相手ゴールに向かう意欲が拮抗し、どちらが相手を凌駕するのか、意地の張り合いのような戦い。つばぜり合いがつづくなか、もう少しゴールに迫る余地があったのではないかという想いがあったのか、大前は「後半途中から相手の足が止まってきたところで、ぼくたちがうまく間、間で受けてゴール前まで行くシーンがあったので、そこの中でもっとシュートまで行ったり、点が獲れればよかった」と反省した。

技術力に関して言えばチーム全体のベースが上がり、選手間の差が少なくなってきている。そのように粒が揃ってきたおかげか、いいテンポで運べる場面も多かった。しかし大前は「局面を見たらそういう場合もあるけれど、まだまだミスも多いと思うし、その自分たちのミスでショートカウンターを食らってシュートまで行くシーンもかなり多い。そういうところがどんどんなくなって、前に行くシーンが増えていけばいいんじゃないかなと思う」と、手綱を緩めなかった。

江戸陸のスタンドに詰めかけたサッカー少年が「巧い」と何度も感嘆の声を漏らすほど、ボールの扱いは洗練されてきている。その精度をさらに高め、ゴールに向かう意欲をさらに増すことで、結果も伴ってくるはずだ。

「ここ数試合、流れの中でなかなか点が入っていない。いい部分が出てくればどんどん良くなると思うので、我慢というか、練習でやっていこうと。その良さを残り2試合で出しながら得点が決まっていけばいいんじゃないかなと思う」

滴り落ちる激闘の汗に、実感が伴っていた。培ってきているものを公式戦のピッチ上で表現しきれるか。このテーマをあと2試合追い求め、そしてひとつでも上の順位に上がれるよう、勝利をめざしていく。

(後藤勝)

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