アローレ山田監督「来季は言い訳できないシーズンに」
写真:今季のアローレを率いた山田監督。
アローレは29日のリーグ最終戦でBANDELIEに1-3で敗れ、今季は7勝4分け6敗の暫定7位で終えた。試合後、山田監督に最終戦の感想と共に、今季の総括、来季に向けての意気込みを聞いた。
── SHIBUYA、EDOと2連敗を喫して今日の最終戦を迎えた。前節の敗戦からこの1週間はどういった課題と向き合いながら準備をしてきたのか。
「前節も前々節もスタッフ側というよりかは選手たち自身が相手の特長を理解し、そのうえで自分たちの良さを発揮するという、ごく当たり前な傾向と対策を準備してきた。負けはしたものの比較的いいゲームができたし、結果については僕ら監督、スタッフの責任。きょうに関しても基本的には同じで、傾向と対策のサイクルをしっかりやって臨んだ。ただ、それが機能しなかったということ。そこは相手の方が僕らより、より良い準備をしてサッカーをしてきたからだと思う」
── 今日の1-3の敗戦。具体的にはどこがうまくいかなかった印象だったか。
「やはり受け身になったところ。ホームのアドバンテージがあるなかで、主導権を握りながらボールを奪いにいく、守備を構築する、マイボールのところでは精度よくボールを動かして相手のゴールに迫る、そういった基本的なところができていなかった。もちろん相手のプレッシャーだったりもあるが、攻撃の幅、厚み、そのへんもうまくいっていなかった」
── 逆に自分たちがやりたいことを相手にやられてしまったような印象はあったか。
「BANDELIEさんは一体感があって、ひとつのボールに対しても球際の強さとか、1回だけでなく2回、3回と追ってきて、ボールにしがみつくハードワークがある。僕らとしてはそういった強度に対してもしっかりボールを動かして、プレッシャーをかいぐぐって効果的に攻めて行かなくてはいけなかった」
── これで今季は終了。結果的にはアローレよりも上のEDO、SHIUBYA、早大、アストラ、Criacaoといったチームに勝てなかった。上位チームとの差を感じているところはあるか。
「止めて、蹴るといった技術も含めて本当に基本的なところだと思う。戦術的にそれほど難しいことをやっているわけではないし、年間通して4-4-2のオーソドックスなサッカーを展開してきた。やはり各個人がポジションの役割、個人戦術の原理原則の理解をもっと深め、そのうえで個人の良さを発揮するようにならなくてはいけない。もちろんスポーツなので相手ありきにはなってくるが、落としたゲームは今日も含めて自分たちから勝ちを逃してしまった印象が強かった。あとはクラブとしてはこのクラブ自体をもっと大きくしていきたいという想いがあるし、現場としてはより強くなって順位を上げて関東リーグに昇格していくという想いがある。やはり夢を現実にしていくためには自分自身も含めてもっとサッカーを生活の中心に置いて、勝負の世界で生きていかなければいけないという覚悟が一番の課題なのかなと思う」
── 去年の5位という成績から今年はベスト3に入るために監督としてはどういった改善、取り組みを行ってきたのか。
「僕というよりかはクラブ全体としてやってきた。特にフロントは14番の可児選手を中心に能力の高い選手を獲ってくれたり、大学のトップでやっていた選手も集めてくれた。実際に開幕から4連勝していいスタートも切れたし、結果として出ていた。ただ、このリーグ特有の質の高いクラブが多くて、あと一歩で勝ちきれるゲームを引き分けに持ち込まれたり、本当にあと一歩というところの詰めの甘さを痛感したシーズンでもあった。サッカーに関しては高望みせずに身の丈にあったサッカー。難しいことをやろうとするのではなく、サッカーの本質、目の前の1対1で負けない、自分の責任を全うする、ボールを奪われたら奪い返す。特に『攻守の切り替えを一体化する』をテーマに取り組んできた」
── 来季ベスト3に入るためには。
「社会人リーグというカテゴリーの中で、われわれとしては来季は大きな転換期を迎えていて、今までの昼間に仕事をして夜にトレーニングをするというサイクルから、身体が良いコンディションの昼間にトレーニングをしてゲームに向かっていくというサイクルに変えていく。そういった大きな変革を迎えるシーズンになるので、選手にとってはより良い環境でサッカーに打ち込めると思うし、逆に言い訳できないシーズンにもなると思う。サッカーの部分でいうと基本的な原理原則のところを徹底し、より理解するマインドと、やはり謙虚であり続けること。勝った負けたの世界ではあるが、きちんと課題を抽出して自分に矢印を向けて、次のトレーニング、次の試合を迎える。そういった心の豊かさが大事になる。これからセレクションだったり、選手の入れ替えの時期に入るが、自分たちと同じ意識のもとにできる選手ともう一度、一から積み上げて来季を迎えたいと思う」
東京都社会人サッカーリーグ1部