JSC、5日間ほぼメンバー固定 覚悟貫き戴冠
写真:攻撃を仕掛けていくJSCの10番渡辺。
MATCH REPORT後藤 勝
<全社決勝:JAPANサッカーカレッジ 1-0 FC徳島>
JAPANサッカーカレッジ(JSC)とFC徳島、勝てばどちらも初優勝という顔合わせとなった全国社会人サッカー選手権大会決勝はJSCが1-0の勝利を収め、優勝を果たした。徳島をはじめとして、1回戦のVONDS市原FC、そして準々決勝のブランデュー弘前FCと、全社開幕前に各地域リーグ優勝で地域チャンピオンズリーグ出場を確定させていたクラブを3つ撃破しての、堂々のトロフィーだった。
専門学校であるJSCにとっては地域リーグクラブが出場する各大会の制覇とJFL昇格が目標。今大会の初制覇と全社枠での地域CL出場権獲得は、目標達成への道のりを正しく進んでいることを示している。
ごく一部のポジションを除き、5日間5試合をほぼ同じメンバーで戦った。「可能であればターンオーバーする戦い方もとは思っていたが、地域CLを見据えてやっている中で、このメンバーだったら勝てると選出して臨んだ大会だったので、そのメンバーで突き抜けてしまおうと。その覚悟を選手たちにも伝えて。先発の選手たちは休みたいとも話をしていたが、突き抜けてくれた」と、金子監督。連戦の地域CLで勝ち抜くことも想定し、主力を固定してまさに突き抜けた大会だった。
準決勝同様、構えて守りながら、傍目には相手にボールを持たせるような試合展開。ロングフィードとロングスローを駆使し、リスクを減らしながらゴールへと迫るなかで、自陣最終ラインからパスをつなぐ志向の徳島を凌駕。
前半に2本あったポスト直撃のピンチに失点していたら勝敗が変わっていた可能性もあるが、最後までタフに戦い抜いた心身の強さが終盤に差し掛かった後半27分の得点、そして勝利をもたらした。連戦で練習が出来ない状況ではあるが、ミーティングだけで要点を理解した選手たちが、高い位置でボールを奪い、走りこんできたフリーのDF篠田に撃たせての決勝ゴールだった。
「今年の戦い方として、前から主体的にボールを奪いに行くというよりかは、少し構えて、相手にボールを持たせたところから引き込んで出ていくことを強みにやってきた。力関係を考えると格上が多いし、どうしたら点を獲れるかを考えた時に、ああいう形をチームに浸透させて、 それが今回も結果として出た。押し込まれたり、ボールを握られていることに関して選手は全然恐怖心はない。ただ相手はそのような準備を撃ち破ってくるし、今日もシュートを撃たれたが、ああいうところを修正しながら地域CLではまたしっかり堅い守備をめざして入っていきたい」(金子監督)
地域CLでは、まずは予選となる1次ラウンド突破が目標。各地域のチャンピオンを倒した手応えを携えて決勝ラウンドに進出した時、新たな歴史が生まれるのかもしれない。
【後藤勝】
・【ハイライト】JAPANサッカーカレッジ 1-0 FC徳島
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