EDO、引き分けの可能性を遠ざけたハーフタイムの修正
写真:終盤にチームの6点目を決めるEDOの瀬戸。
MATCH REPORT後藤 勝
<関東大会準決勝:カラスト 0-6 EDO>
準々決勝では神奈川県1位のONODERA FCに先制点を許しながらも1-1の同点に追いつき、PK戦で上回り準決勝進出を決めたFCカラスト埼玉南西。前半10分にMF吉馴のスーパーゴールで先制しながらも前半のうちに追加点を挙げられなかったEDOにとっては、0-1で迎えたハーフタイムは楽観的になれる時間ではなかった。
「相手にとって0-1は想定内のゲームだったと思う。対して我々は前半あまりいいゲーム運びが出来なかったということを選手たちに伝えて、後半はもう一回締めて入るようにということは強調した」
選手たちに危機感を持たせる必要があった。1-1になるかもしれない内容とスコアだった前半45分間を反省し、もしPK戦にもつれ込んだら相手のほうが有利だという認識を共有。和田監督はまず意識を揃えた上で、戦術面も含めて修正を施した。
「もう少し相手の背後を衝くボールだったり、対角のダイアゴナルのボールを増やしていくということを指示しました。相手のラインが低くてブロックをつくっているなら、しっかり足もとでボールを受けて、コンビネーション、パスワークで崩すというところはずっとやってきたことだったので、それをいかに正確に、高い質で再現性高く出来るかが、ゴールを奪う鍵だと考えた」
大胆に背後を衝き、サイドを突破し、クロスを入れる場面が増えた。その姿勢が2点目以降の大量得点につながった。
「クロス攻撃のところはかなりこだわりを持ってやってきた。入り方、入る人数、入る場所、入る順番まで細かく落とし込んできたそれらを徹底出来たからこそ、サイドからたくさんの点が生まれたのかなと思う」
一年間の積み重ねが実り、後半は先発組のDF竹村、MF倉田以外に途中出場のMF瀬戸が2得点、北島が1得点。点差がついているにもかかわらず、1得点ごとに選手たちは喜びを爆発させ、チームの雰囲気は最高潮のままタイムアップの笛を聞いた。「途中から出てくる選手が高いパフォーマンスを発揮し、強度を高く出してくれるのが今年のチームの強みのひとつ」と、和田監督は自信をのぞかせた。
今シーズンはJFLから関東リーグへの降格クラブが生じる可能性があり、連動した昇降格枠の関係で、決勝進出だけでは関東サッカーリーグ2部昇格は決まらない。自動昇格を決めるには、明日の決勝で同じ東京都社会人サッカーリーグのライバル、SHIBUYAに勝ち、優勝する必要がある。
「この大会を優勝するということが一番の目的。いまはその最低条件をクリアしただけなので、決勝で勝って優勝して、明日しっかり決められるようにしたい」
関東の一番を決める一戦にして首都の一番を決める一戦。都リーグを無敗で制してきたEDOが、悲願達成を目前にしている。
【後藤勝】
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