VONDS、勝点1目前で「隙」ラスト失点 黒星スタート
写真:ラストワンプレーで決勝ゴールを決められたVONDS。
決勝ラウンド飛鳥FC 2-1 VONDS市原
10人という劣勢の中で同点に追いついたことを考えれば、引き分けは勝利に近い勝ち点1だったはず。だが、ラストワンプレーで豪快に決勝点を蹴り込まれるという痛恨の結末。つかみかけた勝ち点1を取り逃し、相手に勝ち点3を与えるというVONDSにとっては非常に厳しい決勝ラウンドスタートとなった。とはいえこれが地域CLであり、甘くないJFLへの道。伊澤監督も「おっしゃるとおり。サッカーである以上色々な結果を想定はしていたが、こういった負け方はこの大会ならではだと思う」と唇を噛んだ。
序盤からVONDSらしくなかった。芝生の上を走らせるパスの強弱、コントロールを見誤り、味方同士のお見合いやボールを相手に譲る場面が散見し、開始10分で垣根と有永の連係ミスを発端に先制点を蹴り込まれた。プレーに絡んだ垣根は「あれはシンプルに連係ミス。それにピッチの感触、この雰囲気・・・」。ピッチの中で色々ズレが生じていたらしい。
悪い連鎖はさらに続いた。18分、CB谷口が隣にいる主将のCB渡辺へつないだ何でもない横パスが弱く、相手に奪われると、尻ぬぐいに走った渡辺が相手を倒してしまい決定機阻止の一発退場。たった18分で失点だけでなく主将も失うという、これまでにない厳しい展開に追い込まれた。
それでも追加点を与えず前半を折り返すと、ハーフタイムに監督は強気の采配で勝負にでた。10人となって以降、1トップだった攻撃陣を後半からFW加藤を入れ2トップに変更。リスク覚悟のこの采配が見事に当たり、53分にはカウンターで抜け出したFW一木が決めて同点。
あとは逆転ゴールを奪えなくても、最悪失点せずに勝ち点1を分け合う結果に終われば御の字。次戦以降につながるはず。80分を過ぎ、90分を過ぎ、1-1のまま残すはラストワンプレー。だが、その最後に落とし穴が待っていた。堅守がウリのチームに守り切れるという心の隙でもあったのか。飛鳥FCのFW清川にエリア内に入ったクロスボールを豪快なボレーで蹴り込まれ、勝ち点1へのシナリオが塗り替えられた。
VONDSは1日目を終わって勝ち点0で最下位。さらに主将の渡辺は次戦も出場停止。厳しい条件が並んだが、監督は「誰も下を向いていないし、前を向いて残り2戦を戦っていくだけ」。渡辺からキャプテンマークを引き継いだ垣根も「普段から(渡辺)広大さんに頼りきっていた部分があるので次の試合は真価を問われることになるが、そこはチーム全員で強固になってやっていきたい。2連勝して必ず昇格を決めたい」。これ以上ない逆境に追い込まれたVONDSの底力が試される。