武蔵野、冷や汗残留 最後まで慌ただしく
写真:後半に先制ゴールを決める武蔵野のFW石原。
JFLHonda FC 1-1 横河武蔵野
崖っぷちまで追い込まれていた最下位・武蔵野が最後の最後に逆転残留を決めた。勝って勝ち点3を挙げても、引き分けて勝ち点1を挙げても、残留かどうかは他チームの結果次第。ただ、負ければその時点で入れ替え戦行きは決定。7位Honda FCとの運命をかけた一戦は、前半0-0で折り返し、後半に動いた。
62分、今季限りでの引退が決まっているFW石原がカウンターで抜け出し、相手DFにエリア内でひっかけ倒されてPKを獲得。これを石原がGKの逆をついてネットを揺らし先制した。このまま1-0で終われば同時進行のミネベアミツミが0-0のため、武蔵野の残留は決まる。
だが、簡単には終わらない。残り10分を切った83分。Hondaの右からのCKをGK末次がつかみ損ね、そのこぼれ球をFW岡﨑に蹴り込まれてまさかの同点。前半に退場者を出しながらも粘るミネベアミツミはまだ0-0で、武蔵野が残留するにはさらにあと1点が必要。Hondaの攻勢を受けながらも、必死に追加点を狙う武蔵野だが、時間は90分を過ぎても1-1のまま。
入れ替え戦行きも現実味を帯びてきたなか、突如、武蔵野にとって吉報が。ミネベアミツミが「ロスタイムに失点し0-1の状況」とのこと。情報がピッチに伝わると、一転、武蔵野は無理に攻めず敵陣から撤退し守備固め。CKを獲得しても時間稼ぎに走り時計の針を進める。見栄えよりも勝ち点1を最優先に、ミネベアミツミが0-1のまま終わることを祈った。
そして武蔵野は1-1で試合終了。そこから数十秒後、ミネベアミツミが0-1で敗戦との報告が届き、武蔵野の残留が決まった。
シーズン途中からなかなか勝てず、リーグ終盤には監督交代もあり、例年になく苦難が続いた武蔵野。それでも最後に意地をみせて執念の勝ち点1を挙げてJFLという戦いの場を守った。試合後、主将の小林はサポーターに向けて「勝って一緒に喜びたかったが、残留が至上命題。引き分けでも残留ができてよかった」と素直な気持ちを伝えた。
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