東京サッカー [TOKYO FOOTBALL]

写真:前線でボールをキープしながらゲームを作る松岡。

天皇杯予選ニュース

エリース、ピッチと相手のスタイルに適応 もぎ獲ったタフな勝利

写真:前線でボールをキープしながらゲームを作る松岡。

MATCH REPORT後藤 勝

<社会人代表決定戦:クリアソン新宿 0-1 エリース東京>

 エリースFC東京時代に3回、東京都サッカートーナメントに進出しているが、その最後である2010年から数えても14年ぶり。現体制、現呼称のエリース東京FCとなってからは初となる社会人代表決定戦の勝利に歓喜が爆発した。山口監督は「昨年に関東2部で優勝したのもそうだが、クラブとして体制を変えて上をめざし、Jリーグをめざしていくなかで、やってきたことが徐々に結果として出てきている」と、充実した表情を見せた。

 4日前の関東リーグ1部開幕戦で、会場となったスピアーズえどりくフィールドのピッチは体験済み。見た目は緑でわかりにくいが凸凹になっているこのピッチにどう適応していくかがひとつのテーマだった。

「先週よりはコンディションがちょっとよくなったかなという部分もある」と言いつつ「とはいえ、今日もそこそこ真ん中とか、ボールが跳ねる部分もあった」と、山口監督が言う状態。パスワークがなくなったわけではないが、ドリブルで持ち運んだり、浮き球で1列飛ばして遠くの味方に渡したりと、えどりく仕様のプレーが散見された。

 その準備が出来ていたこと、中2日のクリアソン新宿に比べて準備期間が1日長かったことなど、有利な条件が揃っていたことは山口監督も認めた。ただそれでも、関東2部から昇格してきたクラブによるJFLクラブ撃破という結果は色褪せない。関東1部優勝、天皇杯、全社、地域CLすべてに勝とうと意気軒昂なエリース全体を元気づける勝利と言える。

【ハイライト】クリアソン新宿 0-1 エリース東京

 もちろん楽な勝利ではなかった。前半16分、クリアソンに与えたかと思われたPKがアシスタントレフリーの進言で取り消され、失点の危機を回避。後半7分から8分にかけてクリアソンDF鈴木が退場。数的優位となったことも影響したのか、後半14分にFW濱口が決勝ゴールを決めたが、以後はひとり少なくなって4-3-2に変えてきたクリアソンにすばやく寄せられ、フリーな選手へと渡る前にビルドアップが詰まりがちになった。

「ひとつはそれこそグラウンドの側面もあると思いますし、あとは、これがやっぱりカテゴリーの差というか、ぼくらが昨年いた関東2部では感じられないプレッシャーが、人数が少ないなりにもかかる。勝利が目前になってくると硬くなるし、目先の勝利に飛びつきたくなる気持ちもすごくわかる。でも、そういうなかでも勝つのがすごく大事」

 精神的支柱であるベテランのDF長井を起用したい、1トップに中盤も出来るFW松岡を起用したいなど、様々な意図があり3-4-2-1を採用してのミラーゲーム。いつものように華麗なフットボールではなかったが、集中した守備で相手を無失点に抑えたことに価値があった。

「相手もフィジカルが強くてロングボールを速く入れてくる。タフなゲームになるのはわかっていた」と、山口監督。ピッチに適応しつつ、あえて相手のスタイルに付き合うかたちでもぎ獲った勝利に、エリースの新しい一面が垣間見えた。

大会日程・トーナメント表
第29回東京都サッカートーナメント

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