武蔵野 ラスト同点弾献上も奮起 PK勝利
写真:延長戦でゴールに迫る武蔵野のFW石原。
天皇杯東京予選決勝横河武蔵野 1-1(PK5-4)日本大学
一時10人で痛恨失点
大学生を相手に延長戦にもつれ込むのはできればというより、何としても避けたかったはず。
0-0で迎えた後半14分に鈴木龍のCKをFW新関が頭で捉えて先制。反撃に転じた日大の背後を逆襲で突いて石原が決定機を迎えるなど抜かりなくゲームを進め、終盤は交代選手も続々と送り込み、逃げ切り態勢は盤石だった。90分を過ぎ、表示された追加タイム5分も超え、残すところはあとワンプレー。CKさえ逃げ切れば。
だが、落とし穴が待っていた。CK直前にCB大桃が相手との競り合いで頭をぶつけてうずくまる。主審の手招きによりトレーナーがピッチに入ってしまったことで、大桃はプレー続行可能をアピールするも一旦ピッチの外に出るはめに。「頭の負傷だったけど、あれでCB1枚を欠くのは。もう少し選手の意思を聞いてからにしてほしかった」というのが石村監督の言い分。結果、10人で守るそのCKからまさかの同点ゴールを蹴り込まれて選手、監督もピッチに崩れ落ちた。
それでも見事だったのはそこからの再起動力。監督というより選手たち自身が「ここから楽しもう」と声を掛け合ったらしく、精神的に負けていなかった。監督も「スタートから出てる選手の目も死んでいなかったし、運動量も落ちていなかったのでこのままいこう」と。一進一退の延長戦でも決着がつかず、最後はPK戦までもつれたが、5-4で迎えた日大6人目のキックをGK末次が弾き返して歓喜の渦を呼び込んだ。
天皇杯出場は4年ぶり。今季開幕前から監督は天皇杯出場だけでなく、天皇杯で躍動することを目標に掲げてきた。初戦の栃木代表・栃木シティ(JFL)に勝てばJ1・札幌との対戦も待つ。「まずはひとつずつ。栃木代表との試合に向けてしっかりトレーニングを構築していきたい。明るく、楽しく」。戦いはまだ続く。
大会日程・トーナメント表
ゲームハイライト
・決勝:横河武蔵野 1-1(PK5-4)日本大学
・準決勝:横河武蔵野 3-1 早稲田大学
・準決勝:エリース東京 2-3 日本大学
◇天皇杯 日程・結果
・天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会
日本サッカー協会