写真：80分にクリアソンは樋口が決勝点を決めた。

MATCH REPORT後藤 勝

＜クリアソン新宿 1－0 東京23FC＞

　直近の国立開催でJFLホームゲームに1万人を集めて話題になったクリアソン新宿が、その試合でメンバーに入らなかった選手とベンチだった選手を中心にオーダーを組み、1－0で東京23FCを下して次戦に駒を進めた。

　毎年、JFL勢と関東リーグ勢が拮抗する社会人代表決定戦だが、この試合でもチャレンジャーの東京23が前半から果敢に攻めて互角の勝負に持ち込んだ。風上のクリアソンがシンプルに攻めれば、東京23は19番のFW原科など俊敏性の高い選手たちの走力を活かし、パスをつなぎながらゴールに迫った。前半は双方に1点ものの決定機。だが23分に左からDF柴田が入れたクロスをFW東が左足で蹴った東京23のシュートはGK阿部に止められ、37分にDF樋口の左CKをDF米原が頭に当てたクリアソンのシュートはクロスバーを叩き、それぞれ得点とはならなかった。

・クリアソン、東京Uが東京トーナメントへ

　後半も一進一退の攻防が続いたが、前半で10番MF若杉が退いた東京23が決め手を欠くうち、徐々に攻勢を強めたクリアソンが同35分、MF高橋のクロスに樋口が飛び込み、待望の先制点。このあとも主導権を渡さなかったクリアソンに軍配が上がった。

　キッカー、ロングスローワー、クロッサーの三役をこなしながら無得点で迎えた終盤に自らがフィニッシャーとなり勝負を決めた樋口。「セットプレーでゴールを狙っていて惜しいシーンもあったが合わず、ただ相手の脚もどんどん止まってきていたので、このまま今のサッカーを続ければ勝てるなと考えながらやっていた。正直、PKまでは持って行きたくなかった。やることを変えずに徹底したことが勝ちにつながった」（樋口）

・東京U、終了間際の一撃でJFL武蔵野に勝利

　天皇杯予選勝ち上がりの喜びもつかの間、中二日で迎える土曜日にはアウェイ宮崎でミネベアミツミFCとのJFL第6節が待っている。「公式戦は全部勝つ。次に向けていい準備をしたい」と、樋口。この流れをJFL、そして23日の法政大学戦につなげていく。
（後藤勝）