FLUTTO、エース不在もセルべとドロー 連敗止める
写真:FLUTTOとCERVEZAは1-1のドローに終わった。
MATCH REPORT後藤 勝
<東京1部:CERVEZA 1-1 FLUTTO>
5月14日にCERVEZA FC東京とFLUTTO – FLUTTOの試合がおこなわれ、1-1の引き分けに終わった。今シーズン1部に昇格してきたFLUTTOは最初の3試合を2勝1分。しかし大型連休中にはIntel Biloba Tokyoと東京蹴球団に2連敗。実力者のCERVEZAに先制される展開だったが、前半のうちに9番MF菊池の豪快なヘディングシュートで追いつき、連敗を止めた。
まだFLUTTOが集中しきらない序盤の前半4分、CERVEZAはその隙を見逃さず10番MF田仲が右コーナーキックを左ポストに当て、直接枠内に決める芸術的な一撃で先制した。しかしポゼッションをしながらゲームを進めるCERVEZAに対し、リトリートして様子を見ていたFLUTTOが、相手のゴールキーパーからつないでいくビルドアップのかたちに気づくと、前からプレッシャーをかけ始める。これでチャンスをつくれるようになったFLUTTOがタテへの推進力を活かして13番MF浅野が上げたクロスから菊池が決めて、前半終了間際の44分に追いつき、スコアを1-1とした。
しかし試合内容全体を振り返ると、これぞ1部のスタンダードというクオリティを維持して完全に拮抗。互いに相手を上回ることは難しく、同点のままタイムアップの笛が鳴った。
均衡した状態が崩れなかった一因はけが人が続出して台所事情が苦しく、打つ手が限られるCERVEZAの側にもあるが、FLUTTOもFLUTTOでエースの坂本が仕事の事情で欠場し、決め手を欠いた。
「坂本だとマークがふたりつく。ひとり武器がいると対戦相手はそこに焦点を合わせてくるので、隙が生まれるが、今日はその辺を全員のチームワークでやらなければいけないというところだった。ただ、代わりに出場する選手もこの日のために努力しているので、今日は負けなくてよかった。自信がついたと思う」(山崎監督)
前半にあと2、3回あったチャンスを決めていれば勝てた試合を逃したというFLUTTOの惜しさはあるが、悪くない結果だった。2部から1部に駆け上がる先輩の姿を見て駒大系の有力選手がここに集まってくる状況であり、今後の見通しは明るい。目標はあくまでも3位以内と高く置き、チーム力を引き上げることを意図している。その想定で取り組めば、もし関東大会進出を逃したとしても実力の向上と確実な1部残留という収穫を得られる。勢いを感じさせる一戦だった。
(後藤勝)
東京都社会人サッカーリーグ1部