セルベッサ、ようやく2勝目 アローレに5点快勝
写真:試合終盤に金澤が5点目を決めて快勝したセルベッサ。
【東京1部】アローレ 2-5 CERVEZA
敵の心理突き 冷静にゲームコントロール
昨季2位のセルベッサが8戦目でようやく2勝目。5試合ぶりの勝利に「久しぶりに勝ちました」と石割監督もホッとした様子を見せた。好調のアローレを相手に勝因を尋ねると「今日は自分たちは慌てず、相手を慌てさせることをやろうと。それができた」と語った。
まさに思惑通りの90分だった。中途半端なクリアからショートカウンターを浴び、アローレのFW林に豪快なヘッドを決められて先に失点したのが20分。ただ、そこで変に気落ちせず慌てなかった。むしろここでお灸を据えられたように、クリアするならクリア、危ない場面の時は無理せず一旦プレーを切る。つなげるならつなぐと、相手に合わせない割り切りを徹底した。
気がつけば28分、縦の揺さぶりからシンプルに中央を突破して保田が同点ゴール。31分には、今度は外から揺さぶりをかけ、田仲のクロスを中央で受けた中島が豪快なボレーを蹴り込んで逆転。失点と同時に集中力が落ちるアローレの脆さを見透かしたかのようなあっという間の3分間の逆転劇。
後半も同様の展開。先に得点を取ったのはアローレで、49分に泉がPKを決めて2-2の同点。ただ、一気に逆転ゴールを狙うアローレの勢いを逆手に取るようにカウンターで裏を狙うセルベッサ。後半からボランチで出場の川井は「相手は前から来る分、後ろがもろい。うちは浅田が前に強いし、裏にボールを入れれば点につながる」と視線は全体を見渡していた。
63分、セルベッサは相手のカウンターを食い止めると、すかさず川井が自陣から前線へ一本のロングパス。裏を取った浅田が落ち着いてバウンドボールを山なりに蹴り入れて勝ち越しに成功。さらにわずか1分後。勝利への執着心むき出しに躍起になってボールにどんどん吸い付く相手をセルベッサはきれいなショートパスで掻い潜り、最後は金島のアシストを中島が押し込み4点目。2分で2点を奪って一気に突き放した。
「3、4点目が特にそうだが、相手は焦って集中力が落ちるとボールだけを見る癖がある。あそこでうちが得点を取れたのは大きいし、逆に相手はやられてはいけないところで失点した。やはりアローレはアローレだった」と監督。
得点はこれで終わらず、81分には川井のCKを金澤がヘッドで叩き込み、終わってみれば今季最多の5点を奪う快勝。「ここから全社予選はあるが、次のリーグ戦まで少し期間が空くので、ケガ人も戻ってきていい競争環境ができるはず。これからのセルべを見といてください」と2勝目を挙げ、監督の強気な発言も徐々に戻ってきた。
東京都社会人サッカーリーグ1部