後半反攻も1点遠く Hondaに1点差負け
写真:後半エリア内でゴールを狙う小林。
MATCH REPORT後藤 勝
<JFL:武蔵野 0-1 Honda>
2日、味の素フィールド西が丘でおこなわれたJFL第19節は東京武蔵野ユナイテッドFCがHonda FCと対戦し、0-1で敗れた。前半3分にFW児玉の左からのクロスをファーサイドでMF松本が頭で決めてHonda FCが先制。後半、武蔵野は反撃に転じたがスコアは動かなかった。
前半はHondaのワンサイドゲーム。武蔵野がこの試合で初めて採用する守備時に5-4-1にセットする布陣の間、間をうまくパスとドリブルで貫き、容易にサイドや背後のスペースを衝いてチャンスを量産した。ただ、奪ったゴールは序盤の1点のみ。最終的にシュートが外れたりフィニッシュに行こうとするところで武蔵野の最終ラインに引っかかり、追加点を奪えなかった。
個の能力が高いHondaは交代選手の質も高く、後半もメンバーを入れ替えながら変わらぬ姿勢で崩して点を獲ろうとするが、リスクを冒さず安定して試合を進める武蔵野の前に2点目が生まれない。
動きがあったのは後半18分。長いボールをトップに入れてセカンドボールを拾ったあとに攻めきれない傾向があった武蔵野は、FW澤野に替えてMF鈴木を左の前目に投入するとタテに速い動きが出てきて、前に向かってボールを奪いに行く守備も機能するようになり、ショートカウンター式の攻撃からシュートを撃てるようになる。
また1トップ気味だったFW石原の近くでサポートが目立つようになり、最終盤はフォーメーションを途中出場のFW行武と石原の2トップによる4-4-2に変え、さらに前の厚みを出した。
「DF一宮、MF鈴木裕也に替えた辺りで、だいぶ攻めのパワーも出てきた。1トップの石原はスピードの勝負で相手の2センターバックと比べても優位性はあると思い我慢していたが、彼ばかりになる傾向もあったので、2シャドーも抜けていくことを後半はもっと増やしていこうという話はしていた。鈴木(裕)は相手を引きずっていけるパワーがあり、ウラを抜けるというよりはドリブルで特長を出してくれたと思っている」(石村監督)
結果としてはなかなか勝てないここ最近の星勘定の延長のように映るが、得点を奪い、勝点を獲るために何かを変えていこうとする姿勢は見えた。残留をめざす武蔵野にとっては、今後に向けターニングポイントとなるかもしれない一戦だった。
(後藤勝)
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