写真:上位のEDOと好ゲームを演じたアストラ。
MATCH REPORT後藤 勝
<東京1部:EDO 1-0 アストラ>
17日におこなわれたEDO ALL UNITEDとアストラ倶楽部の試合は1-0でEDOの勝利に終わった。しかし試合全体を通してはアストラが優勢で、ここまでEDOを圧倒するチームは久しぶり。上位チームのような力強さと活気が印象的だった。
ボールを奪ってすばやく攻める戦い方を志向するEDOに対し、アストラは序盤、長いボールを蹴り込むことでその機会を消した。さらにEDOがボールを持つと前からプレッシャーをかけて守備網に嵌めていき、思い通りにボールを動かすことを許さなかった。後半はEDOが立ち位置を修正してきたこともあって互いのゴール前に到達するオープンな展開となったが、パスをつないでEDOが攻めたあとのカウンターでアストラがつくったチャンスのほうが危険度は高かった。最後はEDOのFW髙田に決勝ゴールを許したが、それまではゴール前に迫られてもなんとかしのぎ、ベンチの雰囲気も非常に前向きだった。
試合後、小松監督はこの試合のプランをこう説明した。
「相手は3-4-3でウイングバックが起点。前の3枚にすごく能力の高い選手を並べているのもわかっていた。ウイングバックに入った時に誰がそこにプレスをかけるのか、そこだけ迷いがないようにチームで意識統一させて取り組んだ」
東京海上やSHIBUYAとの試合を通して3-4-3に対しての守り方が鍛えられていたという小松監督。自陣まで運ばれた場合でもゴール前で堅く守り、手数の少ない攻撃で反撃していく姿にはEDOを上回る迫力があった。だが、「あれがサッカー。ぼくらの甘さが出たのではないかと思う」という、ラストワンプレーでの失点のみに悔いが残った。
試合終了時点でアストラは19チーム中15位。16位FCエコ・プランの結果にもよるが、最終節で勝点3を獲れば、関東社会人サッカー大会での東京代表勢の結果に関わらず残留が確定する。
「ぼくらとしては残留争いのなかで勝点をひとつでも積み上げたかったというのが正直なところ。勝つ気満々で今日に臨んでいたので、最後に失点して勝点がゼロになってしまったのは非常に残念」
新しい選手を加え、自分たちからアクションを起こして前からプレッシャーをかけていく戦い方に取り組んだ結果、習熟に時間を要してリーグ戦全体では芳しくない結果となったが「開幕から積み重ねてきてよくなってきている」と小松監督が言うように、チーム力が向上していることは間違いない。
平日に働きながら合間にコンディションを整えているアストラ。セミプロ集団のEDOを圧倒して社会人クラブとしての誇りを示した。
「サラリーマンチームとしての意地というものは、ある程度は見せられたのではないかと思う。なんとか最終戦、江戸川さんに勝って残留したい」(小松監督)
暁星高校に関わりがあり、第3回天皇杯で優勝したアストラは東京蹴球団と並び東京社会人サッカーを象徴する存在。プロ選手を擁するセミプロクラブや大学サッカー部のセカンドチームが増えてきている東京都社会人サッカーリーグ1部を照らす星となったナイトゲームだった。
【後藤勝】
・EDO、苦しんだアストラ戦 今は試練こそ有益
・【ハイライト】EDO 1-0 アストラ
東京都社会人サッカーリーグ1部