写真：つくばは鈴木のFKによる2得点で福山に勝利。

【決勝R】つくば 2－0 福山シティ

　決勝ラウンド1日目を終わって最下位だったつくばが一転、2日目を終わって得失点差で首位に立った。ゲームメイクが巧みな福山に対し、ボールを持たれる時間は長かったが、「持たれた部分と持たせた部分の両方があった。相手が持つことはわかっていたからこそ、ずるずる下がらず落ち着いて対応できた」と副島監督。それでも守備では奮闘しつつも攻撃にまで手がまわったかというと、そうでもない。

・つくば、栃木が初勝利 勝点3で4チーム並ぶ

　この日のシュート数は前半3本、後半2本のトータル5本のみ。だからこそ、劣勢の中での前後半に飛び出したMF鈴木の直接FKの2ゴールにとびきりの価値がある。監督も「（彼は）キックの力は持っているので、ようやくここで出してくれた」と喜んだ。

　最初のゴールは35分。SB山崎が倒されて得たゴール正面のFKを鈴木が直接狙い、一度はバーに当たった跳ね返りのボールがGKにあたりそのままゴールに吸い込まれた。鈴木は「落とすボールを蹴るのが得意。狙った位置より少し内側にいったが、落ちてくれたことでバーにあたり、GKにぶつかって入った。半分はGKのオウンゴールみたいなものだけど、結果的に入ってよかった」と振り返った。

　2点目は72分。1点を追いかける福山がより攻勢を強め、さらに70分に攻撃のキーマンの鍬田が負傷退場によるアクシデントに遭い、暗雲が立ち込めた直後だった。再びゴール正面で得たFKを「前半の時より距離があったので難しかったが、相手の壁が3枚しかいなくてあまりプレッシャーはなかった。その分、強めのボールを狙い通りに蹴れた」と鈴木はいい、ボールはゴール左上にきれいに決まった。この2点のリードを最後までGK阿久津らがガッツあふれるプレーで守り切って初勝利。

　最終戦は同じ関東の強敵・栃木が相手。勝てば優勝・1位の可能性も十分。鈴木は「勝算がないとは思ってない。ここまできたらあと1勝。すべてを出して、走りきりたい」と熱をこめ、副島監督も「相手は攻撃的で強い。でもリーグ戦の後期は勝っているし、今日の勝利の勢いをつなげたい。勝って昇格をきめたい」と力強く話した。

MF鍬田は頭から出血 負傷退場

　つくばの攻撃をリードする鍬田は、68分に相手との競り合いで頭部から出血。一度はトレーナーが出場継続のサインを出したが、その後に取りやめてそのままピッチから退いた。副島監督は「出血があり、思ったより傷が深かった。脳震盪とかではないと思うので、治療をきちんとすれば明後日の試合も大丈夫だと思う。まだ詳しいことはわからない」と答えるにとどめた。

決勝ラウンド順位表（11/24終了時点）

チーム	つくば	栃木	市原	福山	勝点	得失	順位
ジョイフル本田つくば （C1位／茨城）	-		0●1	2〇0	3	1	1
栃木シティ （A1位／栃木）		-	1〇0	1●2	3	0	2
VONDS市原 （2位最上位／千葉）	1〇0	0●1	-		3	0	3
福山シティ （B1位／広島）	0●2	2〇1		-	3	-1	4

※決勝ラウンド1位はJFLへ自動昇格。2位は今季JFL15位と入替戦。

1次ラウンド結果

Aグループ	栃木	市原	徳島	都農	勝点	得失	順位
栃木シティ （百年構想／栃木）	-	1〇0	4〇1	3〇1	9	6	1
VONDS市原 （関東／千葉）	0●1	-	2〇0	1〇0	6	2	2
FC徳島 （四国／徳島）	1●4	0●2	-	2〇1	3	-4	3
ヴェロスクロノス都農 （九州／宮崎）	1●3	0●1	1●2	-	0	-4	4

Bグループ	福山	wyve	弘前	刈谷	勝点	得失	順位
福山シティ （中国／広島）	-	5〇2	1△1	3〇2	7	4	1
wyvern （東海／愛知）	2●5	-	1〇0	1〇0	6	-1	2
ブランデュー弘前 （東北／青森）	1△1	0●1	-	2△2	2	-1	3
FC刈谷 （全社1／愛知）	2●3	0●1	2△2	-	1	-2	4

Cグループ	つくば	福井	北海道	和歌山	勝点	得失	順位
ジョイフル本田つくば （全社2／茨城）	-	1△1	3〇2	0△0	5	1	1
福井ユナイテッド （北信越／福井）	1△1	-	2〇1	0△0	5	1	2
BTOP北海道 （北海道）	2●3	1●2	-	4〇1	3	1	3
アルテリーヴォ和歌山 （関西／和歌山）	0△0	0△0	1●4	-	2	-3	4

大会日程・試合会場等

・全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2023
日本サッカー協会 公式サイト