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写真:最終節で勝利を挙げてJFL残留を決めた武蔵野。

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武蔵野 最終節勝利で残留決定 来季は原点回帰で飛躍の第一歩を

最終節で勝利を挙げてJFL残留を決めた武蔵野。

MATCH REPORT後藤 勝

<JFL:東京武蔵野U 1-0 沖縄SV>

 11月26日に各地でJFL最終節がおこなわれ、東京武蔵野ユナイテッドFCはホーム武蔵野陸上競技場で沖縄SVと対戦。1-0の勝利を収め、残留を決定した。一方、敗れた沖縄は最下位の15位が確定。一週間後、ホームに地域チャンピオンズリーグ2位のVONDS市原を迎え、一発勝負でJFL・地域入れ替え戦をおこなう。

 入れ替え戦を見据えて長いスパンでチームづくりと内容の向上を志してきた沖縄はボールを保持しながら前進し、ゴールを狙ってきた。これに対して武蔵野は今シーズン半ばに4-4-2から3-4-2-1へと布陣を変え、スタイルも変えたその戦い方を熟成させ、奪って攻めるフットボールで最後に沖縄を仕留めた。

 前節終了時点で、今節で沖縄が7点差の勝利を収めないかぎり、武蔵野と順位が逆転しないことがわかっていた。この有利な条件を念頭に、武蔵野はどのようなプランで臨んだのか。石村監督はこう語った。

「前半、後半の最初は、前からどんどん行こうと。 本当はポゼッションの時間をもっと増やせればそれが理想ではあるが、 フォーメーションを3-4-2-1に変えてからどんどんストレートに行く攻撃が増えた。もちろん、数字はただのデータとして伝えた。6失点の負けだったら残れるよ、と。仮に退場者が出たり、向こうがめちゃめちゃ良かったりとか、そういう局面に陥った時に、(判断材料の)数字を持っていないのは良くないので。ただ、勝ち点3を獲るとミネベアミツミさんを抜けるというのはあったので、ひとつでも順位を上げるという意識で選手はやってくれていた」

 粘り強い守備も光った。監督を兼任する沖縄の高原に2本のシュートを許したが、それを相手の得点に結び付けさせることはなかった。沖縄の攻撃がクロスによるものが多いと分析、どのポジションでも相手にいいボールを上げさせない、頑張って相手のボールに寄せるという作業を繰り返すことで、沖縄のクロスやシュートの精度に少しずつ影響を与えた結果だった。

 パスをつなぎながらミディアムテンポで攻めてくる沖縄に対してボールを奪うや否や、すばやい切り替えでラインを上げ、圧縮しながら直線的に相手陣奥へと進入する。シャープな攻撃には、沖縄のそれ以上の迫力があった。これを諦めずにやり続けた結果、試合終了間際の後半45分に決勝ゴールが生まれた。FW行武の左からのクロスを右でMF鳥居が折り返し、キャプテンのMF小林が押し込む。この劇的なゴールによって、武蔵野は勝って残留を決めた。シーズン後半に貫いてきた戦い方が最後の最後で実を結んだ。

「中断明けのHonda FCさんの時からフォーメーションを変え、そこから出られる選手が変わり、決め事の問題も出てきてなかなか歯車が合わないこともあったが、ディフェンスの粘り、ラインを高くする代わりにボールにもちゃんと行くなどを徹底した。今日も粘り強くやって、最後に絶対チャンスが来るから、と。出来過ぎというか、理想とする締め方が出来た」

沖縄高原監督 敗戦にも下を向かず

 今シーズンは旧東京ユナイテッドの選手やスタッフが移籍した状態でスタートし、クラブの運営やチームづくりを進めてきた。「働きながらというベースは多分変わっていかないと思うし、練習環境も変わるわけではない。短い時間でいかに集中してやれるか、それでもJFLでやっていけるというところを価値にしてやっていきたい。ただの継続ではなく、上をめざしていきたい」と、石村監督。来季はこの一年でつくり上げてきたものをベースに、原点回帰で再建の第一歩を築いていく。
(後藤勝)

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