東京PKで敗退 監督「選んだ自分の責任」
写真:相手のボールを奪いに行く草住と小松。
MATCH REPORT後藤 勝
<国体関東予選:茨城 1-1(PK5-4)東京>
20日、埼玉県熊谷市で特別国民体育大会・関東ブロック大会(サッカー成年)代表決定戦の2試合がおこなわれ、東京選抜はシードの茨城選抜と対戦。規定の70分間を終えて1-1で決着つかず、PK方式に臨んだが5-4で敗れて敗退決定。5年ぶりの本大会進出、鹿児島行きはならなかった。
前半を0-0で終えた東京は茨城に使われていたサイドのスペースを埋めるため、サイドが2枚の4-4-2へと布陣変更。これにより穴は塞がったが、蹴り込まれる不安がなくなったものの、その分戦い方に関しては消極的になった。さらに初戦から二日連続の試合で体力も枯渇、自陣左サイドからの攻撃をしのいだあとの二次攻撃に対して寄せていけず、ほぼノープレッシャーでのシュートを許して失点した。これが後半14分のことだった。
このままでは敗れてしまう東京は、後半10分から出場していた右サイドのMF関口に、自陣に下がらないよう指示。前残りでサイド突破を図るよう仕向けた。
この策が実ったのは後半31分。あえてサイドの奥深くまでは行かず、相手最終ラインの手前に留まっていた関口は、対峙するディフェンダーの股を抜いて縦に突き進み、中央へ折り返し。瀬川がスルーして、こぼれてきたボールを冷静にMF小松が左足でコントロールしてシュート、ゴールネットを揺らした。
同点に追いついた東京はいたずらに焦ることなくバランスをとりながら失点を防ぎ、ついにPK方式による決着にまで持ち込んだ。
二日間の集大成とも言うべきPK方式のキッカーは福田監督が選んだ。
「みんなすごく疲れていたから、(途中出場で体力がある)太田、関口を選んだ。5人目に関しては、昨日の勝利の殊勲者である上村が決めて勝つも外して負けるも、どういう結果になったとしてもみんな納得がいくだろうと、そういうメンツを選んだつもり。選んだのは俺だから、外したらもう俺の責任だということで、選手たちに背負わせることは何もない。俺が人選を誤ったということ」
各クラブとも主力を出せない事情があるなかで、潜在的なポテンシャルが高い若手を中心に選出し、若干の経験あるメンバーを加え、成長をテーマにして本大会進出まであと一歩と迫った。次回国体は二年後となるが、今後、東京選抜をどう運用していくべきなのか。
「長井、小松、堀田といった経験ある社会人選手の背中を見せつつ、若い選手をブレイクスルーさせる成長の場にしたいという思いでやってきたが、国体選抜はその意味で非常に有意義だと思う。あとは常々言っているが、社会人フットボーラーのコミュニティとして、ユニフォームの色が違ってもそれぞれの想いを持って活動している仲間の存在を知る場にもなっている。そうやって集う場として、練習も国体の前だけでなく継続的に通年でやりたいとも思う。ぼくだってもうそんなに若くない。次の世代がこの社会人フットボールのコミュニティを牽引していかなきゃいけないと思う」(福田監督)
勝負事として結果を求めながら東京社会人サッカーをより意義あるものとするために国体選抜をどう運用していくべきなのか。このテーマが予選敗退を一区切りとし、後継に託されようとしている。
【後藤勝】
特別国民体育大会関東ブロック大会