エリース、土壇場で唯井が同点ゴール 最後はPK勝ち
写真:土壇場で同点に追いつき喜ぶエリースの選手たち。
全社関東予選決勝【F】東国大FC 1-1(PK2-4) エリース
敗退濃厚の中で最後の最後に全社への道を繋ぎ止めたのは、あきらめない気持ちだけだったのでは。それくらいこの日のエリースは、突破口が見当たらなかった。
開始8分にCKからあっさりヘディングを叩き込まれて失点すると、以降は中央を固める相手に両ウィングが幅と深みを取って攻め込もうが肝心のシュートを撃たせてもらえない。後半開始からFWソンホギョンが前線に入って強引にボールを引き出すことで、51分過ぎにそのソンホギョンがエリア内で倒されてようやくPKを獲得。だが、これを10番松岡がゴール左に外してふいにした。
そこから選手交代をしようが、細かくパスをつないで攻め込もうがいつまで経ってもシュートは撃てないまま。相手の1発、2発と合間に繰り出すカウンターの方がよほど怖さがあった。刻一刻と時計の針が進み、いよいよ残すは追加タイムのみ。そして重たい雰囲気のままラストワンプレー。
MF神田がエリア内の密集地帯にスルーパスを出すとDF韓勝康が右奥からマイナスの折り返し。転がるボールの争奪でFWソンホギョンがGKに倒されると、エリースはベンチも含めて一斉にPKを主張するがさすがに2度目はなし。東国大の選手がバウンドボールを大きく蹴り出して試合終了かと思われた。
が、終わらせなかった。三枝があきらめずに走って身体をぶつけてそのクリアを遮ると、すかさずエリア内左から右足で内側に折り返し。すぐ隣にいた唯井がダイレクトで沈めた。
三枝がボールを奪い返してからゴールまでわずか2、3秒。唯井が「流し込んだだけ」というが、まさにその通りで、横から来たボールに力みなく冷静に足を出しただけで、決めたあとの喜びもまた爆発せずクールだった。その直後にタイムアップ。
この劇的な同点ゴールがPK戦を後押ししたのは間違いなく、相手の1本目、2本目をエリースGK畔柳がストップ。キッカーはソンホギョン、唯井、鯰田、小田島の4人が全員決めて成功。ゲーム内容に課題は残しつつも、10月の本戦までに突き詰められることは多分にあるはず。ひとまず終わりよければ全てよし。エリースが2年ぶりの全国大会出場を決めた。
唯井は「勝てたから良かったが、監督が求めるサッカーにはまだまだ遠い」と課題を口にしつつも、10月の本戦に向けては「クラブとして上を目指していく中で、リーグ戦と共に全社も取りに行きたい」と力強く話した。
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