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写真:後半に同点ゴールを決めて喜ぶ南葛の大前。

関東リーグニュース

FW大前、一矢報いるビューティフルゴール

写真:後半に同点ゴールを決めて喜ぶ南葛の大前。

MATCH REPORT後藤 勝

<関東1部:南葛SC 1-4 東京23FC>

 後半13分、途中出場のMF楠神(元川崎フロンターレ)が上げた左からのクロスをFW大前がダイレクトで叩き込んだ。これで1-1の同点。西が丘のスタンドに詰めかけたファンも含め、南葛SC全体を勇気づけるゴールだった。

「(楠神)順平くんからいいボールが来たので、枠に行けば入るかなと思っていた。(小西)伶旺が前に引っ張ってくれてファーサイドが空き、順平くんがぼくのことを見てくれて、ぼくは本当に合わせるだけだった。決められてよかった」

 4-1-4-1の左サイドハーフでの先発だったが「ゴールは常に求められている」と、決定機を虎視眈々と狙っていた。リスタートからクロス、シュートという“画”は想定通りであるにしても、それをミスなくワンタッチで決めるところに技術の高さがあらわれていた。今シーズンはこれで3得点。チーム内ではFW奥原と並ぶ稼ぎ頭となった。

 ただ、さあこれから逆転だ──と気勢を上げた4分後に失点を喫すると、あとは10分おきに失点を繰り返し、最終的なスコアは1-4。大前は「前半もそうだが、自分たちがミスした時しかやられていない。もっと個々がうまくなって、よりレベルアップしないとこうなる」と反省の弁を述べていたが、相手から奪って攻める東京23を前に、自分たちの脆さ、拙さが目立つ結果になってしまった。

【ハイライト】南葛SC 1-4 東京23FC

 4点を奪われ敗れても、前向きにファンが後押しをしてくれたことが救いだった。雨がちだったこの日、雨天にもかかわらず入場者の数は742人。「最後まで諦めず応援してくれて、ぼくの力になった。それをしっかり勝利の形で恩返ししていければいい」と、南葛のホームゲームならではの賑わいと温かい雰囲気を喜んだ。そしてその、今後恩返し出来るという確信は、ここまで積み重ねてきた自信から導かれたものだろう。大前は次のように言った。

「風間さんは特にこだわってどういうフォーメーションでやりたいということはないし、チームの試合の中でも常に変えたりしている。だからみんな、フォーメーションが変わったりポジションが変わったりしても、そんなに慌てずにやれているんじゃないかなと思う」

 風間監督は常々「選手がやりやすいようにするだけ」と言っているが、立ち位置や担当ポジションが変わっても戸惑わずにプレー出来るのは、メンバーの組み合わせや並びを試合ごとに変え、試合中にも変化させて登録選手全員の底上げを図っているおかげであり、これを繰り返すうちに熟成度が上がっていくことは明白だ。左サイドで出場しつつ貴重なゴールを決めた大前の存在が、なによりの証左だろう。

「全国社会人大会に出られなくなり、もうリーグ1本になったのでこの負けは正直痛いですけど、下を向かずにやっていけたらいいなと思います」と、大前。短期的な目標を捨てたわけではないが、目先の結果に左右されることなく、個人としてもチームとしても日々完成度を高めていく。
(後藤勝)

南葛4失点「もっと自信を持たないと」向上誓った風間監督

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