途中出場の関口、光ったアシスト
写真:右サイドを突破して同点ゴールをアシストした関口。
MATCH REPORT後藤 勝
<国体関東予選:茨城 1-1(PK5-4)東京>
茨城戦の同点ゴールは右サイドハーフで途中から出場していた関口(東京Uプラス)の力によるところが大きかった。後半10分からピッチに入っていた関口は、この同点弾が生まれる直前から、守備で自陣に戻らず前に残るようになっていた。
「先に1点を獲られてもうこのままだと負けるという状況。点を獲りに行くしかなかったので、自分がサイドハーフのポジションにいる意味を自分なりにも考えて、ベンチからもそういう声が飛んでいたと思う。自分が0-1の状況で守備に戻るよりは、本当にリスク覚悟で前に残ってチャンスを待つようにした。そのポジショニングの変化がひとつのポイントだったのかなと思う」
アシストの場面では相手陣の深くでスルーパスを引き出したり、一発のパスでウラに抜けるのではなく、あえて相手ディフェンスの前でボールを受けてから対峙する相手をかわしてウラのスペースでフリーになるというプレーを選択した。
「自分が右サイドの時は、キックフェイントだったり、ちょっとクロスを上げると見せかけてもう一個運ぶというのが得意。相手も食いついてきたのが見えたので、もう一個持ち運べば、がっつり剥がせるかなと判断した」
食いついてきた相手を完全に剥がし、ウラに出たあとは広大なスペースがあり、そこで落ち着いて状況を把握、次のプレーに入る時間があった。
「だいぶ時間があったので、剥がしたあとに一回しっかり見て、いつもならキーパーとディフェンスの間に速いボールを入れるところ、自分が見た時には中にあまり勢いがなくてマイナスに人が多めだったので、ゴロでマイナスに送ったほうがワンチャンスあるかなと思って、ゴロでマイナスのボールにした」
丁寧なパスを拾ったのは昨日勝利の功労者である小松。しっかりとコースを見定め、千載一遇のチャンスを逃すまいと正確なシュートでゴールネットを揺らした。
「最初は瀬川選手を狙ってクロスを上げたが、スルーして小松選手に渡った。トラップしてからだいぶ時間があり、ミドルシュートが得意な選手なので、あとは信じて待つだけ。本当に決まってよかった」
今回の国体選抜はこれで解散するが、東京Uプラスに所属する関口としては、この機会に経験したことを今後にどう活かしていくつもりなのか。
「勝ちたかったというのが本音ではあるが、昨日負けるより今日負けるほうがもっと悔しいなというのが率直ないまの気持ち。しかし敗れた以上、それぞれがチームに戻って今回の経験を還元しなければいけないと思うし、もっと言えば次回も同じメンバーでまた東京を背負って戦えたら非常に嬉しく思う」
22歳と若い関口にとっては他県と戦う公式戦である国体予選は貴重な場。今後の成長に期待したい。
【後藤勝】
特別国民体育大会関東ブロック大会