東京サッカー [TOKYO FOOTBALL]

写真:EDOは後半28分に川原田のゴールが決まり形勢を逆転。

東京都リーグニュース

交代選手の活躍もあり後半一気2得点 EDO逆転で全勝継続

写真:EDOは後半28分に川原田のゴールが決まり形勢を逆転。

MATCH REPORT後藤 勝

<東京1部:東京海上 1-2 EDO>

 その時点でやるべきことをはっきりさせて意思統一を図り、用意した戦術を徹底してきた東京海上FC。局面での力量差を時間の経過に沿った正しい行動で凌駕しようという戦略的発想で、後半の途中まではEDO ALL UNITEDに主導権を譲り渡さなかった。

EDOは海上に先制許すも鮮やか逆転

 EDOの視点では非常に苦しい試合展開だった。前半15分に自陣でビルドアップをおこなおうとしたところ、ヨコパスをカットされて失点。その後もハイプレスで動きを封じられ、フィニッシュまでたどり着いても東京海上GK山田の好守に阻まれた。しかし長く続く1点ビハインドの状況に、ピッチサイドで指揮を執る和田監督にもピッチ内の選手たちにも焦る様子はなく、間断なく出来る限りの攻撃を持続させていた。

「東京海上さんはすごくしたたかで我慢強く、すばらしいメンタリティを持った選手たちが11人揃っているチーム。そこは最大限リスペクトを持ってやろうと、選手たちにも伝えていた。0-1で折り返す、あるいは試合終盤まで0-0の可能性もあるということも伝えて、その通りにゲームが進んだので、プラン通りと言ったらちょっと弱気になるのかもしれないが、慌てずにやれたのだと思う」(和田監督)

 選手交代が大きくゲームに影響した。東京海上は前半終了間際、キャプテンのDF高岡にアクシデントが発生。ディフェンダーとしても引き締め役としても要となる選手を失い、時間の経過とともに強度が下がると、バイタルエリアが空いてくる。そこをすかさず衝いたのは後半28分、右のポケットをめがけてボックス内に後列から飛び出してきたMF川原田の強烈なシュートだった。そしてその1分後には中央を上がってきた途中出場のDF竹村がやすやすと左足のシュートを決める。交代でパワーアップしたEDOが、先行逃げ切りを完遂出来なかった東京海上の攻略に成功した瞬間だった。

「昨年、ずっと主力で出ていた竹村と瀬戸が途中から出て、竹村は今日決勝点を獲った。彼らは本当に悔しい想いをしていたと思うが、日々のトレーニングを一所懸命やっているし、誰よりも声を出す。先週の練習ゲームでも彼らが途中から出て流れを変えてくれて勝つということが出来たが、今回もその通りになった。サブの選手によってそういうことが出来るという層の厚さが、今年のぼくらの新しい強みなのかなと思っている」

 竹村は昨年のベストイレブンであり、瀬戸も11人の選からは漏れたが年間8ゴールを挙げて優秀選手に選ばれた、言わばEDOの顔。しかし上位カテゴリーから積極的に補強した今年は競争が激化し、ベンチスタートとなっている。そしてその事態にも腐らず虎視眈々とポジション奪取を狙い己を向上させながら、勝つという目的のために結束していることが、EDOの強みになっているのは和田監督が言うとおりだ。

 2024年は全勝優勝を目標に掲げ、引き分けも許されないという意識付けを徹底。紅白戦やトレーニングの1対1でも勝つことを求め、勝負に対するこだわりは人一倍ある。この高い意識が、この節までの6戦全勝という結果につながっていることは間違いない。

 技術や戦術以前の根本から集団としての強さを増してきている現在、EDOの隙は少なくなってきているが、あえて課題を挙げるとするとなんなのか。和田監督はこう答えた。

「今年は昨年以上にボールをしっかり握って、90分間ボールを握り続けるというコンセプト。それをやるうえでは今日の失点みたいなミスは絶対ついてくる。そのミスをどれだけ少なく、質の高いビルドアップ、ボール保持が出来るかということは、いまだけでなく年間を通しての課題になる。そこは継続して選手たちとよくしていきたい」

 勝負へのこだわりとつなぐ攻撃へのこだわり。特長に課題と収穫が浮かぶEDOの今季6勝目だった。

東京海上 林の先制ゴール守れず

東京都社会人サッカーリーグ1部

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