東京サッカー [TOKYO FOOTBALL]

写真:前半に最初の失点を喫し肩を落とす養和のイレブン。

東京都リーグニュース

三菱養和 首位相手に無失点プラン完遂出来ず

写真:前半に最初の失点を喫し肩を落とす養和のイレブン。

MATCH REPORT後藤 勝

<東京1部:三菱養和 0-3 EDO>

 三菱養和SCが今シーズンの2勝目を挙げる好機を逸した。ここまで1勝3分6敗の三菱養和は、まず無失点で切り抜け、少ないチャンスを決めて1-0で勝つプラン。もし得点を奪えなかったとしても0-0の引き分けにして勝点1を獲りたいところだったが、それは完遂出来ず、0-3で敗れた。

 けが人がいることもあってメンバーが揃いにくい三菱養和は、ベンチメンバーが4人のみで、そのうちふたりがゴールキーパーという非常事態。しかも先発の21番山田に替えて1 番畚野を送り込んだあと、その畚野が傷んで一時は31番小野がスクランブル出場の準備をしなければならないほど、チーム事情は逼迫していた。

 最終ラインの一角には最近登録を済ませ、試合に出るようになった身長185cmのセンターバック、明石の姿が。今春大学を卒業し、勤務地や内容が定まったあとで現役の続行を決断。かつて育成年代でプレーした三菱養和のトップチームに戻ってくる格好となった。木村(圭)や小出などディフェンス陣に負傷や警告の累積での離脱者が多く「少し後ろが厳しかったので、守れる選手が必要だった。いまチームに高さがないのでその点でも助かる」と漆間監督が言うように、隙を埋めていた。

 34.5℃の暑熱も含め、こうしたすべての状況を勘案すると、前からプレスをかけずに引いて構え、ゲームスピードを落として時間を費やしていく戦略は妥当だった。両サイドにウイングとサイドバックの2枚ずつを配置するEDOに対し、三菱養和も同様のバランスで選手を配置しつつ、スライドをしたり、流動的に入れ替わったりしながら、的確に穴を塞いでいく。EDOのシュートが三菱養和のブロックに引っかかったり、ミドルシュートが枠を外れたり。巧みな守りで、失点の気配を漂わせなかった。

「狙いとしては無失点で行こう、守備から入ろうというところが一番。セットプレーは絶対やられないようにしようと、いろいろと対策を練っていたところで1本やられたが、前半はそのセットプレーの1失点だけで抑えられたのも、やっぱりみんなが走っていたからだと思う」(明石)

 前半41分に最初の失点を喫するまではフィジカル差をハードワークで補うかのような守備でゼロに抑えていた三菱養和。後半も40分までは失点がなかっただけに、もったいない敗戦となってしまった。ただ、開幕から9連勝の相手にここまで思い通りの試合をさせなかったことは評価出来る。DF明石が「残留争いしているチームとの対戦が多く残っている。そこでしっかり勝ち、上位と戦っても最悪でも引き分けということをみんなで話している」と言えば、漆間監督も「3年連続ぐらいギリギリで残っているので、なんとかまたギリギリ残れるなと思っている」と言い、闘志を失ってはいない。

「2失点目、3失点目は勝負に出たし、もう交代選手がいなくて疲れていたのもあるので仕方ない」(漆間監督)

 0-1のままでは負けてしまう。勝点を獲れないのなら2失点も3失点も変わらないと言えば変わらない。攻めの姿勢が裏目に出たが、モチベーションを失わず、強気に勝点を狙う気持ちが、今後に向けては突破口を切り開くことになるはず。名門の逆襲に期待したい。
(後藤勝)

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