関東1部7位からの下剋上を狙うエリース、粘り強い守備で2回戦へ
MATCH REPORT後藤 勝
<全社1回戦:レイジェンド滋賀 0-1 エリース東京>
今季の関東1部7位で全国地域チャンピオンズリーグの出場権を獲得出来ていないエリース東京としては、この全国社会人サッカー選手権大会でいわゆる“全社枠”を得てJFL昇格の可能性を見出したいところ。また、関東2部から1部に昇格する原動力となったモダンなスタイルがどこまで他地域の強豪に通用するかを確かめる意味でも、大事な大会だ。
その初戦は〝ウノゼロ〟での突破となった。前半の序盤、13分頃まではCKと直接FKが数回あり、五分五分の滑り出しでエリースに勝機があるかと思われたが、試合は徐々に地元で関西1部のレイジェンド滋賀FCのペースに。中盤以降は滋賀のセットプレーとシュートに晒される時間帯が続いたが、ここを耐え凌いだことが先制点につながった。
普段と同じ、相手の間にいい立ち位置をとってパスを通していくスタイルを貫くエリースは前半のアディショナルタイムに相手ゴール前右寄りのエリアで直接FKを獲得、蹴る前から決まりそうな匂いが漂っていたところ、キッカーのMF鯰田が右足でこれをズバリ左に決め、エリースに歓喜をもたらした。
パワーをかけた前半のうちに先制点を奪いたかっただろう滋賀にとっては不利な展開。ハーフタイムに2枚替えで同点、逆転を図り、あらためて攻勢をかけてきた。なかなか流れのなかでゴールが生まれない滋賀は後半に9本あったCKと7本の直接FKを活かしたいところだったが、エリースのセットプレー守備も集中力が途切れず、これを一度も決めさせなかった。
粘り強くプレーするエリースはボックス内に飛び込まれた場面でも選手たちが身体を張ってボールを蹴り出し、特に後半は守備が光った。華麗な攻撃が人々の耳目を集めるエリースだが、一年間、関東1部で培ってきた強度の高い守備が奏功しての2回戦進出となった。
(後藤勝)
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