大けがから復帰のDF金、間一髪のブロックで無失点勝利に貢献
写真:無失点、2連勝に貢献したDF金誠敏。
MATCH REPORT後藤 勝
<関東1部:エリース豊島 1-0 VONDS市原>
VONDS市原戦で2連勝を達成したエリース豊島FCは相手の猛攻を浴びた後半、ゴール前で多くの選手が身体を張って失点を防いだが、特に守備機会の多さで目についた選手が金誠敏(キムソンミン)だった。主なポジションは左のサイドバックまたはウイングバックだが、この日はDF井坂が前節の退場で出場停止となった影響で3センターバックの右端に入り先発、後半途中からは選手交代に伴い5バックの左のポジションに入り守備で奮闘していた。
前半から上がってきたクロスを弾くいい対応を見せていたDF金だが、後半28分には相手の左コーナーキックの場面でMF橋本の強烈なシュートに対し、スライディングをするような体勢で身体を寝かせて間一髪ブロック。最大の危機を乗り越えた。
「シュートがゴロで来たが、本当に自分しかいないところで、とりあえずボールに触れることだけを意識して、必死に足を出した」
この日のエリースは、VONDSにいいボールをボックス内に入れられても最後のシュートを防ぐ、あるいはクロスを弾くといった要所を締めるプレーで無失点を達成した。全体的に守備の意識が高く、アラートな状態を保っていたことが勝因のひとつなのかもしれない。
「特にゴール前の練習をしていたというわけではないが、スンガンさん(韓勝康)がリーダーシップをとってくれて、(VONDSにいいボールを)入れられても、ゴールを守れば大丈夫だというポジティブな考え方でみんな守ることが出来ていた。自分たちは降格圏にいて首の皮一枚で繋がっている状態で、本当にあとがない。戦術もしっかり準備はしてきたけれど、戦術というよりも一人ひとりが闘う気持ち、1対1で負けないところを前面に出したからこそ、この勝点3に結びついたと思う。本当に負けたくない気持ち、それに尽きるかなと」
1カ月前の流経大ドラゴンズ戦に勝利を収めたことによって、何かが吹っ切れたようにのびのびとプレー出来たことがその背景にありそうだ。
「前節10人の状況(井坂の退場)で1勝したことでチームの雰囲気が良くなったと思う。練習から前向きな雰囲気だった。夏の中断期間は合宿もして一体感が深まったし、セットプレーやサイド攻撃の練習もかなり詰めたので、チームとしてやるべきことがけっこう明確になった、そんな意味のある期間だったかなと思う」
明治大学からエリースに加入した1年目の2024シーズンは左前十字靭帯損傷、外側半月板損傷の大けがで7カ月の長期離脱を強いられた。復帰後の今シーズンも出番があったりなかったりと出場機会の確保には至っていなかったが、この試合ではセンターバックから左サイドにポジションを移したあともクロスを直接ブロックしたりと守備面での貢献が大きく、存在感を示した。
「昨年のけがのあと少しずつコンディションが上がってきて、練習でも試合でも自分の良さが出てくるようになったと自分でも思うが、この試合で言うと出場停止の選手が出たことで自分が3枚で出ることになったので、まだ確立は出来ていない。もっとアピールして、『キムがいないとダメでしょ』と、そう言われるような存在になりたい」
ひたむきなハードワークで、ディフェンスから全体を引き締め盛り上げるだけの活躍を見せた金。上り調子の若いチームを象徴するかのような働きで、AGFでの2連勝に貢献した。今後は高い精度を誇る左足のキックも合わせ、より高みを目指していきたいところだ。
(後藤勝)
関東サッカーリーグ
