クリアソン新宿、PK負けも進歩を示した開幕戦
写真:終盤にゴールに迫るクリアソン新宿の中山。(写真:小林渓太)
JFLクリアソン新宿 0-0(PK2-4)ラインメール青森
修正奏功、後半シュート10本の猛攻
GK浅沼、好反応も悔やむ
3月20日に2026 JFL CUPが開幕、3試合がおこなわれ、東グループの2試合は両方とも90分間では引き分けに終わり、今大会特有のPK戦で決着する波乱のスタートとなった。東西8チームずつのグループに分かれ、1回戦総当たり全7節でおこなわれるグループラウンドを経て、1位から4位を決定するホーム&アウェイ方式のプレーオフラウンドに至る日程。試合数が少なくPK戦による完全決着、その上、90分間で勝利を収めた場合の勝点が4、PK戦で勝敗が決した場合の勝点は勝利側が2、敗戦側が1という規定であり、1節ごとにめまぐるしく順位が変動していくことが予想されるなか、東京勢は横河武蔵野FCがPK勝ち、クリアソン新宿がPK負けと明暗が分かれた。
MUFGスタジアム(国立競技場)でラインメール青森と五分に渡り合った新宿の試合内容は悪くなかった。ただ、PKが決まらなかった。新宿はPK戦の2人目と3人目が、しっかりと青森GK廣末陸の逆を衝くコースに蹴りながら、ふたりともポストに当ててしまう。これに対し、新宿GKの浅沼は蹴られた方向に反応できた本数が多く、3人目を止め、4人目もボールに触り止められそうだっただけに悔いが残る結果となった。新宿の北嶋監督は「挙手制ではなく指名制でぼくが決めて蹴らせている。それはぼくが責任をとるためだから(結果は)気にしないでほしい。蹴る人が覚悟をもって自分の思うフォームで蹴ってくれ」と伝えて選手たちを送り出したが、やはり緊張もあったのかもしれない。
PK戦で廣末に優るとも劣らなかった浅沼。「廣末選手はチャンスでしっかり止めて、チームに勝点1、2の結果を呼び込んでいたなというところがあり、ぼくもすごく負けたくないという気持ちもあった。国立のピッチでのPK戦でキッカーの選手たちには緊張している感じがしたけれど、逆にぼくは楽しめればなと思って臨んだ。1本は止められたが、個人的にはもう1本くらい獲れたなという感覚はあったので、そこは悔しい」と、気持ちをにじませた。90分間でも要所要所で浮き球をキャッチして正確性をのぞかせ、フィールドプレーヤーと協調した組織で粘り強く守り、無失点。東洋大学時代にコーチだった青森の原崎監督にいいところを見せた。
その原崎監督は90分間を振り返り「決定力もまだまだ足りないというのはありますし、決定機の数もぼくの印象で言うとまだ少ない」と、仕留めきれなかったことを反省した。昨シーズンからつくってきたチームはボールの位置によってゴールキーパーと2センターバックの3枚回し、3センターバックによる3枚回しを使い分け、守備時には5バックになる最終ラインの変化を的確にこなし、攻撃では左右にボールを循環させながら最後はサイドからチャンスをつくるなど機能。前半は青森が優位に立っていたが、後半は新宿が修正して互角の内容になった。
前半は青森のビルドアップに対して新宿のプレスが嵌まらず苦しい展開。北嶋監督は「いいからこのまま帰ってこい」と選手たちに伝えていたという。その通りに耐えたことが後半の逆襲につながった。ハーフタイムに2トップとサイドハーフのプレッシャーのかけ方を変え、ビルドアップのルートを共有して修正。前半2本だったシュートは10本に増えた。ただ、これが決まらない。
「今日は開幕戦ということ、国立ということもあり、攻め急いだ。いつも通りできればもっとよかったが、ちょっと硬かった」
こう語るのは精度の高いプレースキックをたびたび見せた新宿のMF島田。「ゴール前で余裕を持てていない。もう一手間二手間かけて相手をいなしながら前に入っていくところは本来もうちょっとできるはず」と、チームとしてボックス内に進入しながら決めきれなかったことを反省した。無失点に抑えつつ、昨年よりもボールを保持して攻める面での成長を示し、進化は遂げている。あとはゴールを決めるだけだと思わせる、新宿の開幕戦だった。
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