小寺エリース初勝利、3つの「P」浸透 ゲーム支配
写真:立ち上がりから力強い突破を見せるエリースのMF森。
5月17日のAGFフィールドでは関東1部第5節の2試合がおこなわれ、14時キックオフの南葛-SHIBUYAのあと、18時からは共にここまで未勝利のエリース豊島と流通経済大学ドラゴンズ龍ケ崎が激突。1-1で折り返した後半17分にエリースは一昨年までJリーグでプレーしていたFW深堀の2試合連続ゴールで勝ち越し。2-1のスコアで今シーズンの初勝利を挙げた。
強度の高さとカウンタープレスも奏功
開幕からの3試合で3連敗を喫してはいたが、1試合ごとに失点を4、2、1と半減させていき、第4節では1-1の引き分けでチームとしての初ゴールを挙げての初ポイント。そして今節、流経大を下し、ついに3ポイントをもぎ獲った。
楽な試合ではなかった。元Jリーガーを多く擁し、JFL級のメンバーを揃え、技巧に長けたエリースはほとんどの時間帯でボールを握り支配していたが、得点は試合開始直後のDF金誠敏の右コーナーキックからいわゆるデザインされたセットプレーでDF沖が決めた先制点にとどまり、前半のうちに流経大の左ハーフ・浅尾のゴールで追いつかれた。
しかし圧倒的にボールを支配しながら、相手陣で強度高くボールを奪う姿勢をその後も継続したことが奏功。後半17分、DF濱口の斜め後方からのクロスを深堀が豪快なヘディングで叩き込み、勝負の行方を決定づけた。このゴールに遡ること1分前に投入されたMF道渕の、相手陣で強度高くボールを奪いそのまま攻め込む姿勢が流経大の勢いを殺し、その後の30分間も主導権を譲らず。サイドに元気なアタッカーを揃え油断ならない相手に対し、ほぼ完勝に近い内容でゲームを閉じた。
「まずポジションをとって、ポゼッションして、プログレッション──前進していく。この3つの『P』を重視している。ビルドアップからラインブレイクして、スピードアップしてゴールに迫っていくことが第一だけれど、相手も変わるし、やっぱりそれだけでは難しい。でも、ゴールに迫る方法はビルドアップだけではない。前進して失った時のカウンタープレスで前に向かい、前向きに奪えたらそのままゴールに迫る。相手ボールの時もプレッシングで中盤で前向きにパッと奪えたらゴールに迫ることができるので、この『3つの矢』をしっかり磨いていく」(小寺監督)
結果として小寺エリースの戦い方は、しっかりと握り美麗かつ鋭いキラーパスを随所に散りばめつつ、前方向の推進力が感じられるダイナミックなものとなっている。「ペップのバルサもあれだけポゼッションポゼッションと言われながら、得点が多かったのはもう一回奪い返した時」と、小寺監督。相手陣での即時奪回、カウンタープレスを厭わないよう選手たちの士気を昂揚させるためにもロジックでの納得が重要だが、その信念が、チームに高いインテンシティと結束を生んでいるようだ。
「勝たないといけない試合だった前節を引き分け、今日は最下位グループに位置する者同士の対戦ということで、クラブにとって非常に重要な試合だと選手たちも理解して、練習からすごく高い強度でやってくれていた。なんとか勝利に結びつけることができて非常によかった」
小寺監督はこう語った。先制点のコーナーキックや、位置基準でプレッシングをしてくる相手に対してのズレを活かして背後をとる戦術面など、分析と選手の質が噛み合わさっての快勝で、ようやく群雄割拠の関東1部でのスタートラインに立ったエリース。「自分たちのベースを強固にしながら成長していき、勝点を積み重ねていきたい」と小寺監督が言うように、進路が明確になった、価値在る1勝だった。
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