岩手、途中出場FW濱田とMF宮原のコンビが起死回生の同点弾
写真:空中戦を競り合う岩手のFW濱田。(写真:小林渓太)
JFL新宿 1-1 岩手
11月1日、Jリーグ復帰を悲願とするいわてグルージャ盛岡が首位を走るクリアソン新宿とJFL第10節で対戦した。結果は1-1の引き分け。後半12分、新宿に先制ゴールを許したが、後半34分に途中出場FW濱田のゴールで同点に追いつき、1ポイントをもぎ取った。
試合前のウォームアップで放たれる強くて速いパスを見ても、岩手の選手たちが持つ技術の正確さは伝わってきた。その視覚的な印象のままに、岩手は試合開始とともにビルドアップから前進し、ゴール前へと進入していく。しかしフィニッシュの前に競り負け、潰されてしまい、ならばとミドルシュートを試行するようになるが、威力不足なのか新宿GK大杉に止められるなどして決まらず、結局岩手も新宿も無得点のまま後半へと折り返した。
その後半開始直後、岩手は最初の2分間で後半1分から2分にかけて連続の枠内シュート。大杉のファインセーブがなければ決まっていただろう二撃には、前半にはなかった迫力が漂っていた。「ハーフタイムには出口のパスコースをつくろうという話をした。なんのためにボールを動かしているかというと、目的はシュートのため。その目的を共有し、誰がどう入っていくかというところを整理した」と菊池監督が言う修正が功を奏していた。
ただこの時間帯が続いたあとの後半12分、思わぬ形で新宿に先制点が入ってしまう。プレス回避のために新宿のMF茨田が力のかぎり蹴ったクリアボールがロングシュートとなり、岩手GK池末の頭上を越えてゴールイン。ゴールまであと一歩と迫ろうとしていたタイミングで岩手は事故的な失点を喫し、1点のビハインドを負うことになった。
この状況で迎えた後半22分、菊池監督は二枚替えを決断。FW濱田とMF宮原を同時に送り込んだ。このふたりが直後の飲水タイム明けから機能し、後半34分の同点ゴールを生むことになる。最終ラインからビルドアップをやり直し、右に展開して揺さぶったあと、相手のタッチを経由して逆サイドの左に出たボールをDF安木が短く折り返すと、間髪入れず中央で宮原が持ち運び、左足で力強いキック。このシュート性のボールにボックス内で濱田が触ってコースを変えると、ワンタッチで方向が変わるスピードにはさしもの池末も反応しきれず。岩手がついに堅守・新宿のゴールをこじ開けた。
「真ん中のスペースが空く状況だったので、そこでどんどんボールを受けて、まずはゴールを狙っていけという声をもらって。濱田に当てたあとの3人目で、自分が行ける動きだったら、もうそこは意識して、ということを伝えられてピッチに入った。自分はあそこの位置で受けることが得意で、そこでうまくシュートの形まで持っていけたのはよかったと思う。自分のアシストという形で結果をつけたことは自分の自信にもなった」(宮原)
チームとしての課題は決定力
クオリティの高いフットボールがゴールに結びついたことはよかったが、先制される前にあったチャンスに決められず、同点ゴールのあとに追加点を奪えなかったことは確かだ。内容的には悪くなかった試合のあとで、そこを菊池監督も課題に挙げていた。
「課題は決定力ではないかと思う。昨年は藤本という選手がいて、彼はひとりで19点を取るような選手だったので……。(藤本に代わる)選手がいないわけではないが、そういった最後のクオリティのところで苦労している。個の質を高めて頑張りたい」(菊池監督)
ゴール前に運ぶまでの質は間違いなく高い。フィニッシュの問題が解決されればゴールが増え、引き分けが勝利に置き換わるだろうと思わされる首位との大一番だった。
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