写真:無得点で敗れて肩を落とす東京ベイの選手たち。
MATCH REPORT後藤 勝
<東京1部:東京ベイ 0-2 早大ア式FC>
開幕から上位陣との対戦が続き、3分1敗と苦しんでいた東京ベイFCは5試合目で三菱養和SCを相手に初勝利。ここから順位を上げていきたいところだったが、早大ア式FCに対して走り負ける恰好で2敗目を喫した。
社会人の身で練習には参加出来ない選手もいる。学生のチームと比べると体力面や戦い方の徹底という点では劣位になるが、その差が如実にあらわれていた。後半の半ばにあった飲水タイムまでに2失点。「2点目を獲られて前に出るしかなく、ひっくり返されたらもう全部決定機になっていた。球際でも能力、運動量でも全部相手に上回られたと思う」と、FC東京などでJリーグを経験してきたFW林容平も力の差を認めざるをえなかった。
その林が中盤に降りていく姿が目についた。90分間を通してフォワードにいいボールが入ってこない。「いいボールが上がってくれば絶対点を獲れる自信はあった」と、林。もう少し高いクロスが上がればそれに対して競り勝ち、いい状態のフィニッシュに持ち込めていたかもしれない。
うまくいかなかった要因はいろいろと考えられる。今季、大幅に選手が入れ替わり、初対面のチームメイトが多いなかでの序盤戦で、すり合わせが進んでいない。要の村田翔がこの日はケガの影響で欠場し、パスの供給源を欠いたということもあった。チームとして戦い方を詰められなかったとしても個人の判断でゲームをコントロールすることは可能だが、その舵取りを欠いた影響はあったはず。
対相手ということで言えば、ゴールキーパーがクイックでボールを動かしてくるところのすばやさに揺さぶられ、体力の消耗が早くなったことも、終盤にかけて反撃が難しくなっていった理由のひとつだ。早大が、都リーグではあまり見られないクオリティを有していることは間違いない。
「基本的な能力の部分をもう少し高めないと、ちょっと勝てないかなと思う。早稲田はいままででやった相手で一番強かった。特に前は巧かった」。林はこう言って脱帽した。しかし下を向いてばかりはいられない。ここからは同格の相手との対戦が増えてくる。
「3位以内をめざしてやっている。ここ(早大)が一番強かったと昨年もいたメンバーも言っていたが、このあと全部の試合に勝てばまだ可能性はあると思う」と、林。勝って自分たちの地位を上げていくことで、チームを取り巻く環境を改善していけるだろうということも、選手たちはよく理解している。これから暑い季節を迎えるが、いかにコンディションを上げてチームとしてまとまっていけるか。関東社会人進出の可能性を高めようと、林は己を奮い立たせていた。
(後藤勝)
東京都社会人サッカーリーグ1部
