敗色濃厚な終盤、単騎の仕掛けで魅せた砂田
写真:終盤に中央突破をはかる砂田。
MATCH REPORT後藤 勝
<1回戦:東京都 1-4 茨城県>
「なんとか1点獲り返そうと思った」
中央部分では高い技術を有する選手がボールを保持、大外ではタテへの推進力をストロングとする選手が駆け抜ける。そんな構図の東京で、左ウイングバックを務めるMF砂田の健闘が光っていた。
22歳の砂田は東京で今大会唯一の大学生。駒澤大学GIOCO世田谷の所属で、いかにも駒大らしい活きの良さがある。個の力で仕掛けてチャンスをつくるという意味では、切り札的な存在だ。ただ今回の茨城戦では前半10分にその攻め上がりから左コーナーキックを獲得するなどのシーンはあったものの、以後前半終了までは得点に結びつきそうな、効果的な働きは少なかった。
「前半から仕掛けられるところでは仕掛けたいという気持ちで入ったが、早々に失点してしまい、なかなか自分の個性を攻撃の面で出す場面がなかった。後半は割り切って行けるところは自分のドリブルで行こうと思っていたので、後半からはよかったが、前半からもっとそういったところを出せればよかったと思う」
DF横須賀が大会初戦直前にコンディション不良となり、急遽DF明石が本来予定していたポジションとは異なる3バックの左にスライド。こうした混乱の影響もあったのか、東京は前半12分までに2失点を喫した。砂田は「もう少しうしろ気味にポジショニングをスタートして、始まった直後は試合を落ち着かせるところに持っていったほうがよかったのかなと感じていた」と、反省を述べた。チームとしても個人としてもうまく対応出来なかった序盤に試合の大勢が決まった。
「練習試合の時は最初から支配出来て、ずっと自分たちのペースでやって全部の練習試合に勝ってきたなかで、やはり一発勝負の怖さはチームとしてまだ完全には理解しきれていなかった。そこはまだ甘かったのかなと自分自身も含めて思う」
前半開始直後の2失点。1-2と1点差に迫ってからの2失点。一発勝負の難しさを味わい、敗色濃厚となった後半38分に、砂田が意地を見せた。大きな音をたててピッチ中央を割るように、ボールを運んでいく単騎突撃。惜しくもシュートを撃つには至らなかったが、気持ちが見えるプレーだった。
「なんとか1点獲り返そうと思った。まだ試合は終わっていなかったので、1点でも多く獲って、出来れば同点、逆転というところに持っていきたいという気持ちで、なんとか自分で点に結びつけられればと思ってプレーしていた」
その努力も及ばず、試合は3点差のまま終了。練習と練習試合で東京選抜としての活動を重ねてきたが、本番の大会は1試合だけで終わってしまった。
しかしそれでも、砂田の夏は貴重なものだったようだ。
「自分のチームでは教えてもらえないようなことを先輩たちにたくさん教えてもらえて、個人としてはとても成長することが出来た場所だったのかなと思うと同時に、優しい方がたくさんいたので、チームとしてもっと長く活動したかった。自チーム(GIOCO)に帰った時にこの経験を自分自身活かしていければ」
劣勢の状況でも、点差をつけられている試合でも、発揮するべき個の力を発揮して存在感を示した砂田。この悔しさをバネに、東京のサッカーをおもしろくする選手になっていくことで、国スポに向けた取り組みを有意義なものとしてほしいと思える奮闘ぶりだった。
(後藤 勝)
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