序盤で決着 東京の色出せず、後悔の70分
写真:中盤で相手の寄せに苦しむ東京のMF竹村。
関東予選1回戦東京 1-4 茨城
勢いにのまれ連続失点 堅さ最後まで
流経大を主体とする茨城との対戦を前にCB小屋原が説いていたのは、開始10分で未知の相手の強度に慣れ、できるだけ早く自らが主導権を握ること。それが、開始6分と12分の連続失点。耐性がつく前の短時間でほぼ決着はついてしまった。
体調不良で急遽登録抹消となった左CB横須賀の影響もあったか。右から左に持ち場が変わったCB明石は一発目の相手との間合いを見誤り、不用意に飛び込んだところであっさり縦にぶっちぎられた。そこで与えたCKからノーマークで頭でズドンと決められ先制点を献上。さらに勢いにのまれる東京は12分にGK鶴田の相手へのプレゼントパスから連続失点。なんともやるせない幕開け。
このGK鶴田の1本のパスミスは本番では絶対にやってはいけないものだが、それ以外にも東京のパスミスは結構見られた。相手のプレッシャーを感じると近距離のバックパス、横パスの照準すら合わない。すべては公式戦という場、相手の勢いが東京の選手を縛っていたのだろう。いつも通りのプレーが出来ていたのは武蔵野の選手ら数人で、MF後藤は「最終ラインも低く、距離感が悪く、コンパクトにできなかった」と状況を嘆いた。
当然、そんな状況下で東京が掲げたテンポ良いパスワークやつながりが表に出ることはなく、この日は0-2の後半に一矢報いたのが唯一のハイライトだった。
後半11分、砂田から左奥へ走る後藤にパスが出て、その折り返しを田口が仕留めた。この武蔵野ホットラインの反撃でようやく選抜チームならではの一体感が顔をのぞいたが、それもつかの間。わずか3分後にくさびのパスでエリア手前の中央を突かれ、そこからミドルシュートを決められて再び2点差。以降は点を取るしかない状況がゲーム全体のバランスを乱し、最後は茨城のロングキック、サイドチェンジ、走力が組み合わさった完璧なゴールを見せつけられて東京の日本一を目指した挑戦はあっけなく終了した。
「確かに相手の強度はあったがJFLに比べたらそこまで高くない」というのが後藤の見解。「問題はうちのレベル。大学生相手に真っ向勝負したら勝てないし、自分たちの出来ること、もっと東京の色を出しながら戦わないと。頭のよい選手もいる、うまい選手もいるのに」と唇をかんだ。
戦前、黒木監督は「これまで積み上げてきたものをどれだけ出せるか」と語っていたが、それを最後まで出せずに終わってしまったことが残念でならない。翌日の代表決定戦でこの茨城をPK戦の末に破った千葉の戦いは、相手の前線からの強烈なプレスをGKも含めたビルドアップで回避しながら、前進してチャンスを作り上げていく。観ている人がつなぎの要所に「うまい」とうなるようなアクセントが加えられるサッカーは、まさに東京が練習試合で見せていたもの。東京の選手たちが試合後に「後悔」の念を並べたのは、まさにできるのにできなかった思いがあったから。
ただ、その後悔を晴らせるのはもうこのチームではなく、所属チームでしかない。各自がそれぞれの持ち場に戻って活躍した時、この敗戦の痛みもわずかに癒えるだろう。
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