東京Uが単独首位へ エリースに勝利 関東1部
写真:後半に追加点を決めて駆け出す東京Uの平松。
MATCH REPORT後藤 勝
<関東1部:エリース 0-2 東京U>
関東1部の東京ユナイテッドは13日、エリース豊島との第10節に臨み、内山広太、平松柚佑の得点で2-0で勝利。前節首位の南葛SC、2位VONDS市原が今節は共に敗れたため、勝ち点25で単独首位に浮上した。
強度高く積極姿勢が実る 途中出場FW岡田、追加点生む
高い強度で臨み、攻守にわたり前に出ていく姿勢を貫徹した東京ユナイテッドFCの努力が実った。前半35分にFW内山が相手のパスをかっさらい、そのまま押し込んで先制。後半30分には落下点の競り合いからこぼれたボールに反応した途中出場のFW岡田がウラに出てシュート、このこぼれを右のスペースにポジションをとっていたMF平松が決めて追加点。相手を引き込んでからボールを動かし前進していくエリースに対し、ややもするとピンチを生じさせる結果にもなりかねなかったが、積極的な姿勢が功を奏した。
キャプテンのMF伊藤が前半24分で退くアクシデント。それに動揺せず、事故的な得点により1点リードで迎えた後半は、当然エリースの反撃が予想された。しかし実際には、エリースの意欲を上回る圧力でユナイテッドが打って出て、後半最初の時間帯を制圧した。
「攻撃の選手なので得点のところは一番に考えていたが、うしろの選手が前半を無失点に抑え、暑いなか45分間闘ってくれたので、まずは自分が前からの動きで勢いをつけるという想いもこめて、攻守に渡ってアグレッシブにプレーした」
こう語るのは後半開始から出場したFW岡田だ。先週の7月6日には東京都社会人サッカーリーグ1部のTOKYO UNITED +Plusの試合でも後半開始から出場。似たシチュエーションでプレーした経験が活きた。
「ここまで夕方の試合をしていたところから一転、昼間の試合となり、天候的に厳しいことはわかっていた。その環境でも自分たちユナイテッドの強みである前からの守備を出さないと勝てない。自分が出たら、それまでの試合の流れとか展開よりも自分が出来ること、与えられたことをやるだけだなと思い、それを一番にプレーした」
1点のリードはあったが、0-0からのスタートのような気迫と集中。15分ごとに飲水タイムをとるほどの暑さだったが、よく走っていた。後半開始直後には、練習していた形だという、クロスに反応したボレーシュートを敢行した岡田。この男がカギを握っていた。
見せ場は後半30分にやってきた。ユナイテッドGK高橋のロングキックの落下点で競り合いとなり、落ちたボールに両クラブの選手が集まる。そこで出来たスペースに、引いた位置から休まず猛然と動き出した岡田がこぼれたボールを運び、シュート。これ自体は決まらなかったが、平松のシュートそしてゴールを誘発する形になった。「ウラへのアクション、自分の強みも出たが、あそこに走り込んでくれる味方、そこまで繋いでくれる味方、全体で闘って勝ち取った2点目、勝点3だと思う」と、岡田。ユナイテッドがめざすものを個としてもチームとしても表現した結果だった。
「ハードワークするところなど、チーム全体でやるべきことがすごく明確になっている。日々のトレーニングで強度の高いものを福田監督に求められ、それを全員がしっかりと受け止めて取り組んだことが、こういう結果にも繋がっていると思うし、最終的にいまの順位があるのかなと思う。自分たちが上に上がるために何が必要で、どういうことをやらないといけないのかを、すごく明確に福田さんが示してくれる。そこに向かって全員が気持ちを揃え、想いを揃えて取り組めていることがいい点だと思う」
全国社会人サッカー選手権大会の関東予選では敗退。JFL昇格にはリーグ優勝による全国地域サッカーチャンピオンズリーグ出場が絶対条件で、目標は絞られている。「同じリーグのVONDSや南葛の試合結果はもちろん耳に入ってくるが、周りがどうこうではなく、自分たちがやるべきこと、与えられたこと、めざすべき場所をブレずに日々トレーニングに励んでピッチに表現するだけ」と、岡田。迷いなく突き進むマインドがユナイテッドの好調を支えている。
(後藤勝)
関東サッカーリーグ
