東京23が南葛破り4強入り 敗れた南葛は来季も関東1部残留 全社準々決勝
写真:ゴールを決めて駆け出す東京23のFW石橋。
第61回全国社会人サッカー大会3日目は13日、青森県八戸市の南郷陸上競技場など2会場で準々決勝4試合を開催。東京勢同士の対戦は東京23FCがFW石橋オビオラの決勝ゴールで1-0で南葛SCに競り勝ち、優勝した2011年大会以来となる準決勝に駒を進めた。東京23はあすの準決勝でBASARA HYOGO(関西/兵庫)と戦い、勝てば決勝進出と共に大会上位3チームに与えられるJFL参入戦「全国地域チャンピオンズリーグ」出場権を獲得する。負けた場合でも3位に入れば出場権は獲得できる。一方、敗れた南葛は来季の関東1部残留が決まった。
なお、関東勢同士の対戦となったVONDS市原(千葉)-東邦チタニウム(神奈川)は、VONDSが0-0からのPK戦を4-1で制して準決勝進出。準決勝ではヴェロスクロノス都農(九州/宮崎)と戦う。
東京23、主導権譲らず最後に決勝点
最終盤までしぶとく0-0でゲームを進めた時点で東京23のペースだったと言っていい。そして最後の追加タイムに1点をもぎとって1-0で逃げ切り勝ち。今季カップ戦を含めて3戦3敗の南葛相手に東京23は理想の展開を大一番でやってのけた。
立ち上がりは東京23の強気のハイラインの背後のスペースを南葛が果敢につき、FW福本らが一気にゴールに迫る。対して東京23も服部らの個人技を用いて、決定力のある村上にボールを集めるなど「負けたら終わり」、その一瞬のスリルを観ている側に十分に味あわせてくれた。ただ、頻繁な攻守交代の波が押し寄せる展開から、徐々に引けていったのは南葛のほう。
芝生の影響もあってか自らの生命線ともいえるボールが走らない。滑らかさを削がれた南葛は土俵から弾かれ、風間監督もFW福本やMF三枝などいつもの面々を徐々にピッチから外し、ショートパスより長めのボールを多用していった。東京23からすれば空中戦、1対1の対人の強さなら簡単に負けない。むしろ押し返していく。
0-0のまま終盤を迎えると互いに攻撃的な選手をすべて送り出し、どちらが1点を取るかの勝負。最後にチャンスをつかんだのは東京23だった。表示されたアディショナルタイム8分のうち7分が過ぎたまさに終了間際。右サイドに神田がボールを持ち運び、引き継いだ藤田がゴール前に上げたクロスを待ち構えたFW石橋が頭をひねって叩き込んだ。東京23が地域CL出場権をかけた準決勝へと駒を進め、南葛は来季も関東1部残留が決定。天国と地獄を分け合う運命の一戦で、勝利の女神は東京23に微笑んだ。
全国社会人大会 準々決勝結果
- VONDS市原FC 0-0(PK4-1)東邦チタニウム
- ヴェロスクロノス都農 0-0(PK4-3)Cento Cuore HARIMA
- FC刈谷 0-1 FC BASARA HYOGO
- 南葛SC 0-1 東京23FC
大会概要・トーナメント表
【全国社会人サッカー大会】
全国9地域の代表31チームと開催地(青森県)代表1チームの計32チームが10月11日から5日間に渡ってノックアウト方式で優勝を争う。優勝から4位までの条件を満たした(最大)3チームにはJFL昇格をかけた「全国地域サッカーチャンピオンズリーグ2025」への出場権が与えられる。試合時間は80分で、同点の場合はPK戦で勝敗を決める。

