「来年はラストチャンス」クリアソン新宿 北嶋監督
REPORT後藤 勝
JFL表彰式に参加したクリアソン新宿の北嶋秀朗監督は16チーム中12位となった2025シーズンを振り返り「昇格をめざして始めたがその目標に届かず、最後は残留争いに巻き込まれてしまったところに悔しさと申し訳なさを感じる一年だった」と言い、深い反省を示した。ただその一方で、今シーズン中の不振の時期を産みの苦しみとして、来年に対して切り替えていく明るさも見せた。
「(第9節から第18節までの未勝利期間の)10試合の無得点というのはダメージが大きくて。あそこで勝点が獲れていれば、もう少し違う景色が見えたのだろうとはあらためて思う。ただ、10試合も点が獲れないということがあったから、自分たちがより深いところまで考えられて、みんなで共有出来て、後半の戦いにつながったというところもある。来年のことを考えればいい時間だったのではないかと、いまは思うようにしている」
この過程で得点手法を突き詰めたことが、その前提にあるチームの本質を改善することにつながったという。
「点を獲るために何かが足りない、そのワンピースが何なのかをみんなで突き詰めて、これなんじゃないかというものを選手に提示して、選手もそこにすごく納得感があって、躍動していったという経緯がある。そこを見つけるためには本当に時間がかかって、自分もかなり研究したが、とても大切な時間だったのではないかと思う。後半戦の彼らの躍動を見ると、それをより感じた。苦しみながら形にしていい意味で進化出来たと思うので、その確信をもって来年を迎えられるところは強みとして残したい」
クリアソンはJFLに昇格して以降の4シーズンで一度も一桁順位に入っていない。天皇杯に初出場した2023シーズンの11位が最高位だが、上位で終わることが出来ない一因に、クリアソンならではの特性があると北嶋監督は言う。選手がほぼ会社としてのクリアソンの社員でつながりが強いことから、自ずと共感力も強くなり、それ故に不振からなかなか抜け出しにくいというのだ。だが「それもうまく活かせれば、ポジティブなほうに回っていく」と、北嶋監督はあくまで前向きだった。来年度のJFLは前半の半年間を秋春制への移行期間とし、短期の大会を開催する予定だが、ここでチームのベクトルを上向きにしていく考えだ。
「勝ちに行くこととチームをつくることの両輪で回せるその大会でまずはタイトルを獲り、勝ち癖をつけられるような、そういうハーフシーズンにしたい。『今年と違うな』と思われるようなものを対戦したチームに刻めるようにしたいと思う」
北嶋監督は「いい男が揃っているので、そのいい男のいい感情をいいプレーにつなげられるように、いいものを提供していきたい」と言い、笑顔をのぞかせた。
「もうマストで、J3昇格を獲りに行かなければいけないと思っている。来年は自分にとってもラストチャンスだと思っている。たくさんの苦しみも喜びも味わえたが、そういったものを含めて形にする1.5年にしたい。そのためになんとか頑張りたいと思う」
現役時代、柏レイソルの9番として脚光を浴びた北嶋監督はいま、JFLで監督として辛酸を嘗める立場にある。それでも笑顔を絶やさずチームの進化を信じ、日本のサッカー界が大きく変わるだろう2026年に向かっていく覚悟が、言葉の端々から感じられた。
(後藤勝)
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