アローレ、監督交代後の初勝利 よりゴールを意識
写真:ドリブルで攻めるアローレの長谷川。
東京1部アローレ 2-1 Intel Biloba
第8節終了時点で6勝1分け1敗の好成績でありながら、監督交代に踏み切ったアローレ。森田監督から秋間監督に代わり新たな船出を切った前節は、開幕8戦未勝利だった最下位のFLUTTOにまさかの0-1で敗戦。クラブの判断は正しかったのか。
主将の可児は「僕自身は今までにもこういった(シーズン中の監督交代の)経験はあるし、選手は特に変わらずやるしかない。クラブが覚悟をもって決断したので、選手はこれまで以上に責任感を持ってやらなくてはいけない」と淡々と話した。
負けられない今節。「きれいにやりすぎた」という前節からの反省もあってか、序盤からゴールに一心に向かうチームの強い意志は見て取れた。ロングキックでサイドを経由して幅を取る攻撃よりも、まずはゴールに最も近いCF鈴木にショートパスやロングボールを当てながら、中央のレーンで常にシュートを意識して勝負。
時に、中央からまっすぐ突き進む分、奪われた際のカウンターによる失点のリスクも高まったが、DF陣やGK味坂が踏ん張った。もちろん中央だけの攻撃に固執したわけではない。後半の2得点はサイドから横に流して中央、ファーサイドで決めたもの。先制点を決めた長谷川は「同サイドに敵を集めて、逆サイドでポイントを作るのはチームの共通認識としてあった。やっとあの形が出せた」という。
52分のそのゴールシーンは左から流れてきたボールをエリア手前で鈴木が受け、もう一つ横に流したボールを長谷川が見事に左下に沈めた。「左から右に来たボールだったので、GKの立ち位置も見て、左下に蹴れた。自主練の成果です」と笑顔で振り返った。70分には似たような形から、左SB長井が上げたクロスをファーサイドで大塚が頭で決めて2点目。
終盤には相手にPKを与えて1点差に詰め寄られるなど、必要のないファウルや危ない場面もあった。当然90分を通せば万事がうまく運んだわけでもない。「あまり内容は良かったとはいえない。そこはみんなわかってる。また練習からやっていかないと」と可児は反省を並べた。とはいえ、新監督のもとでまた新たな勝ちを積み上げたことは自信になるはず。最終的な結果はどうあれ、チームとしては歩みを止めずに進んでいくしかない。
紙本代表が監督交代に言及
クラブの紙本代表は試合前に今回の監督交代について取材に応じ、一番の理由は「熱量の問題」と話した。「決して監督に指導の熱量がなかったとは自分は思わない。彼のやさしい性格もある。ただ、選手の捉え方との間に乖離があり、それを埋められなかった」と言い、「長い目で見た時に、毎年シーズン後に選手が離れていくのではなく、選手を継続させたいと思い決断した」と経緯を説明した。
前任の森田監督は双方合意の形で第8節をもって退任となり、新監督にはこれまでクラブのU18で監督を務めていた秋間直輝氏が就任した。紙本代表は「目指すべきところは関東昇格で変わらない。もっというと我々はアカデミーも含めたクラブ全体で一体感を持って、まちづくりにも貢献していかなくてはいけない」と訴えた。
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