武蔵野10番後藤、FC東京·仲川と“ニアミス”に終わるも貴重な練習試合に手応え
写真:FC東京との練習試合でボールをキープする武蔵野のMF後藤。
MATCH REPORT後藤 勝
第79回国民スポーツ大会のため、10月4日と5日はJFL公式戦がお休み。そこで5日、横河武蔵野FCはJ1・FC東京との35分×2本の練習試合に臨み、調整を図った。主力が出場した1本目は相手の東京が比較的攻めてきていた序盤の約10分間を経て、その後は武蔵野がペースを掌握、前半19分に先制点を挙げた。相手陣の深い位置でボールを握り冷静に動かしてチャンスをうかがうことも出来、1-0で35分間を終了。しかしメンバーを交代した2本目はほとんど相手陣に攻め込むことが出来ず、0-3で終えて2本のトータルでは敗戦という結果になってしまった。
FC東京には武蔵野の10番後藤と専修大学時代にチームメイトだった仲川輝人が在籍。前日のJ1公式戦で出場機会がなかったことからこの日の練習試合出場が実現したが、互いにプレーした時間帯が異なり、ピッチ上での直接対決はならず“ニアミス”に終わってしまった。しかし試合後の談笑は別。引退する後藤の今後についてなど互いの近況について穏やかに話し合った。
「(仲川は)大学を卒業したあとは、けがが多くて大変だったと思うが、それを乗り越えてすごいビッグスターになったというイメージ」と、後藤。この仲川を含むFC東京は前日の試合に出なかった、あるいは出場時間が短かった選手の集まりであってもスター軍団だが、練習試合というシチュエーションを考えると、ある程度強度が落ちるだろうというのは想定の範囲内。倒せない相手ではなかっただけに、2本トータルでの逆転負けにはもったいないと感じる面もある。
「上のカテゴリーからすると下のカテゴリーとやる試合は気持ち的にも難しいし、昨日、移動していることを考えると、なかなか相手は強度を出せないだろうとは思った。でもウチも(出力を下げた相手に)合わせすぎてしまった部分もあるかなと思う。そこがちょっともったいなかった。特に、若い選手はここでアピールすればもしかしたら次のチャンスがあるかもしれない。そういうメンタルの部分はまだまだ弱いというか、もっと感情を出したほうがいいのかな、と。そこは物足りなさを感じた」
後藤はこう、小平での練習試合を振り返った。1本目について言えば、武蔵野が先制したあとの残りの約15分間もFC東京は低調のまま。「もっと行かないといけない、2点目、3点目を獲りに行かないといけないゲームだった。ウチはリーグ戦で1点しか獲れないゲームばかり。そこはやっぱり課題だなと、あらためて今日も感じた」
見直すべきポイントを次節の1週間前に知ることが出来たのは、ここからの準備を考えると良いことだったのかもしれない。特に次節の対戦相手、いわてグルージャ盛岡はJFLのなかでは比較的ボールを握ってくる。そのイメージを重ね合わせてのトレーニングにもなったはずだ。旧友との再会を心の糧としながらボールを握りたい相手の対応も実践し、一定の手応えを得た後藤。ここからの1週間で岩手戦に備え、再び厳しいJFL残留争いへと立ち向かっていく。
(後藤勝)
日本フットボールリーグ
