南葛 最終節勝利で2位 魅力溢れる風間サッカーで堂々全社へ
写真:南葛は最終戦に勝利し2位。写真は得点を決めた福本。
MATCH REPORT後藤 勝
<関東1部:南葛 2-0 エリース豊島>
東京ユナイテッドFCが勝ったことで逆転優勝は果たせなかったが、2,606人の大観衆を集めた奥戸総合スポーツセンター陸上競技場での最終節は2-0で勝利。2位で2025シーズンの関東サッカーリーグ1部を終え、南葛SCは既に出場権を確保していた全国社会人サッカー選手権大会に臨むことになった。
1部残留に向けて必死なエリース豊島FCとの激しい鍔迫り合いを制し、この日の奥戸も場内のボルテージは高かった。フットボールの内容そのものが非常におもしろく、90分間常にスタンドがどよめき、あるいは拍手が起こり歓声が上がる状態。喩えるなら、かつて佐山サトルがタイガーマスクとなり漫画やアニメのような戦いをプロレスの場で実際に見せて人気を博したように、現在の南葛は『キャプテン翼』のようなフットボールを現実のピッチ上に顕現させ、人々を興奮させている。かなり稀有な事態だと言えるだろう。
「サッカーがおもしろいので『また来たい』とみんなが言ってくれる。それが風間さんのサッカーの一番の魅力。このすばらしいシーズンを終わらせないためにも、まずは10月の全社をしっかり戦ってきたい」
岩本GMはこう語った。娯楽性が高く、内容も結果も伴い、今シーズンがすばらしいものであることに異論の余地はない。
「正直、ここまで勝点(15勝3敗 勝点45)を積み上げられるとは思っていなかった。もう少し時間がかかると思っていた。1年目より2年目のほうが、選手がグッと伸びているが、それはやれる選手が残ったところに新しい選手が加わり、練習のクオリティが高くなったことによると思う」(岩本GM)
その、加速している手応えは風間監督も感じているようだ。選手の成長について、次のように核心を語った。
「一番は、いかに頭を変えるか、脳を自分で操れるかということ。脳を操れる選手が増えてくると“丁寧”が変わって、一つひとつのプレーがすごく正確になってくる。個々にその差はあるけれども、そこを変えていける選手はどんどん巧くなっていく。ミスをしてそのままやっていると脳はミスを憶えるようになる。そうじゃない、成功を自分に覚えさせないといけない。今日も(樹脂チップがスパイクに絡むピッチの影響で)うまくいかなくてもなんとかやろうとしていた。そこは成長したと思う」
毎試合、複数得点で勝つことが当たり前になってきた南葛だが、まだまだ課題はある。「あとは技術の問題と、正確性の連続。3人つながったらそのまま入るけど、ひとり失敗したら何もなくなるから。もっともっと人数も増えていってほしいし、質も上がるようにしたい」と風間監督が言えば、岩本GMも「出場停止などで選手を欠いて、ゲームの入りが悪い時に負けている。全社では試合の入り方に注意していきたい」と、ポイントを挙げた。
ただ、それは彼らにとって特別なことではないようだ。日々の修練を続けるその先に、タイトル獲得と全国地域サッカーチャンピオンズリーグ出場権獲得が待っている。
「自分の頭の中で勝手に価値を変えるのはおかしい。試合はすべて楽しむためにあるので。90分というのはどの試合も同じ。今度(全社)は80分だけどね。そのくらいだと思う」
風間監督はこう語った。リーグ戦も地域CL出場がかかった全社も、どの試合もサッカーの1試合に変わりはない。変わらず求道する姿勢で魅力的なフットボールを引っ提げ、風間南葛は堂々と全国の舞台に挑む。
(後藤勝)
関東サッカーリーグ
