エリースはベテラン勢奮闘も惜敗 東京2部1B
写真:ゴールに迫るエリースのFW山下。
東京2部1BLLENO 1-0 エリース
FW山下、MF阿部、菅田、神沼、高原、DF近藤、GK康成宇。主要なポジションを担っているのは、かつてエリースのトップで活躍したベテランばかり。泥臭さ、力強さ、巧みさ。変わらぬ持ち味が随所で光り、特に前半はじめの20分、25分ほどは、暫定首位のLLENOを相手に一方的に押し込んだ。だが、長井監督がいうように「5回のうち3回は狙いのサイドからの攻撃が成功するが、そのうちの2回はバックパスを取られたり、前へのパスがつながらなかったり。そうなると行ったり来たりの五分五分の展開になってしまう」
時間経過と共にミスというより、頭では理解していながら動作が一瞬遅れたり、判断が鈍ったりといったかつてのようにいかない綻びが、次第にLLENOを勢いづかせていった。互角でやり合う中で最後に勝負を分けたのは、優勝を狙うチームとそうでないチームの差くらいしかないようにも映った。結果は0-1。
長井監督は「いかに5回のうち起こる2回のミスをなくすか。当たり前のことを当たり前にやるか」。そこに年齢は関係ないと言いたいのだろう。付け加えるなら、チームの中では若手のMF屋宜の遠慮じみたミドルシュート、金井のゴール前のヘッド。彼らがもっと強気に、むしろベテランをけん引した時、ピッチの中はもっとブーストするはず。残り1試合。最終戦はスペリオ城北と戦う。
長井監督 一問一答「新たな意識 成長につながる」
── 今年からこのチームの監督(選手兼任)に就き、去年までエリースのトップに在籍していたベテラン選手も一緒に加わった。どういった想いでチームをスタートさせたのか。
「トップがプロ化を進める中で我々は社会人として、仕事をしながらサッカーを頑張る。その中で仲間と切磋琢磨することによって仕事もサッカーもお互い学び合えるものがあるし、人生も豊かになる。だからこそやるからには真剣にやろうよと元々エリースで一緒にやっていたメンバーが集まってくれた。もちろん勝利にも、昇格にもこだわるからこそ言い合いもする。その中で厳しい要求をしながらも、どうやって楽しくできるのかをみんなで話し合いながらやっている」
── サッカー的には、エリースのトップでやっていたことを落とし込んでいるのか。
「東京2部は五分五分の試合になることが多いし、どちらかというとフィジカル要素が大きくて、速い選手、強い選手がいるチームがそのまま勝つことも多い。その中で、エリースのトップでやっていたことを落とし込んでいるという結論にはなるが、僕自身がトップで学んだ新しいサッカーの考え方、うまくなろうという取り組み、ボールを扱うトラップ一つにしてもどう視野を確保するか、出したあとにどう動くか。そういったトップで学んだこと、年を重ねても誰でもできること、それを落とし込もうと意識している」
── そのままのサッカーを反映させようとはしていない。
「あのサッカーは山口監督にしかできない。でも彼がやっていた誰にでもできる、適応できるベーシックな部分というのをやっていくことが結果、自分たちの成長につながる。今まであまり意識してこなかったことが成長につながるし、その成長が社会人としてサッカーをやる楽しさ、サッカーを長くやる意味だと僕は思う」
── あと1試合残っている。どういった形で終えられるとよいか。
「僕らは昇格も降格もないが、スペリオさんという強化を進めるチームに対してしっかり勝って終わりたい。僕らが積み上げてきたもの、この1年間が正しかったと思うためにもやっぱり結果。東京ユナイテッドの福田さんもよくいうが、その過程を肯定するのは結果でしかないと思うので、最後、必ず勝って終わりたい」
東京都社会人サッカーリーグ2部

