武蔵野MF阿部「全然やれる」ラスト5試合に強気
写真:攻守に存在感を見せた武蔵野MF阿部。
MATCH REPORT後藤 勝
<JFL:横河武蔵野 0-0 沖縄SV>
10月18日、JFL15位の横河武蔵野FCは武蔵野市立武蔵野陸上競技場で4位の沖縄SVと対戦し、0-0の引き分け。残留に向けて貴重な勝点1を加えた。3-4-2-1の初期配置ながら5-4-1で構え、ピッチを広く使ってボールを動かそうとする沖縄の攻撃を食い止める策が功を奏した。
一方でチャンスが少なかったこと、決定機に決められなかったことが課題ではある。しかしそんな攻撃面にも良い感触はあった。1トップのFW新関と他の選手との間をつなぐかのように、縦横無尽に動き回ったMF阿部のプレーもそのひとつ。ボランチの位置に留まらず前線にも進出し、セットプレーのキッカーとしても落ち着いた所作を見せていた。
8月4日付けでJ2のRB大宮アルディージャから育成型期限付き移籍でやってきて早2カ月半。阿部は「最初のほうは途中交代が多かったが、いまは90分間全部出られるようになった。チームみんなでコミュニケーションをとってやっていけたら」と、武蔵野に馴染んできていることを明かした。
阿部とチームメイトの“目”が揃うようになってきたのかもしれない。ゲームプランもあって両ウイングバックや3バックの脇が攻め上がりを自重した今節は比較的外からの仕掛けが少なかったが、その分、阿部だけでなく中盤から前の選手全員が中から外への展開を意図し、チャンスを演出していた。
「別に中から行こうとか、そういうのはなくて。サイドでチャンスをつくれたらいいが、真ん中が空いていてそこから行けるかなと思ったし、みんなもそう思ってこういう内容になった。もう少しサイドで起点をつくってクロスを上げるなど出来たらよかったが、残りの試合で改善していければ。(相手ゴール前に)行けているシーンはあったし、相手にそんなに攻められた感じはなかった。今後は残り4分の1、3分の1のところでうまくつながって、シュートまで持っていけたらいいな、と」
シュートが少なかったことは課題だ。しかし上位の沖縄相手に遜色ない試合が出来、終盤のDF鈴木(龍)のフリーキックがクロスバーを直撃せず枠内に入っていれば勝っていたと言える内容だったことは収穫だろう。気圧されている様子は微塵もなく、試合後には勝点2を逃した残念さが広がっているようにすら感じられた。「全然やれると思うし、やり続ければ結果はついてくると思う」と、阿部。残り5試合で勝点3を増やしていこうという強い気持ちに充ちていた。
個人としては、やはり大胆な動きが収穫だった。技術の高い阿部がボールを捌くだけでなく前に出てくれば、相手にとっても嫌なはずだ。
「中盤が動けば相手のオーガナイズも崩れるし、そこでチャンスをつくれればチームとしてもよくなっていくと思う。攻撃はうまく自由にやりながら、守備はしっかり徹底してやる。それが大事かと思う」
阿部が順応し、自由に振る舞えるようになってきているのと比例して、チームとしての成長もありそうな武蔵野。ラスト5試合に向けての手応えを得た一戦だった。
(後藤勝)
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