アローレ、関東大会進出の可能性が消滅 上位相手の戦いが課題
写真:試合に敗れ、関東大会出場の可能性も消滅したアローレ。
MATCH REPORT後藤 勝
<東京1部:TOKYO2020 3-0 アローレ>
今年度の東京都社会人サッカーリーグ1部ではやや抜けた地力を持っているTOKYO2020に対し、長いボールを蹴る戦い方で迫ったアローレ八王子だったが、結果は0-3の敗戦。最終勝点で3位以上に入らないことが確定し、関東社会人サッカー大会進出の可能性が消滅した。
最終節に3位以上の可能性を残すには勝点3が絶対条件だったが、それはならなかった。ゴールキーパーから長いボールを蹴り、その落下点での回収合戦から、相手陣内で攻撃を始めるという作戦。開始早々に連続してコーナーキックを獲得するなどその効用が感じられる試合の入りだったが、前半15分を過ぎると徐々に2020のペースとなっていった。
「入りのところは前半そういう戦い方でやっていこうと、うまく押し込めていた場面もあったが、そこでなかなか点にならず、逆に失点してしまったことが痛かった」
MF可児はこう語った。先制していればそのリードを活かした戦い方もありえたが、主体的に攻める力を持つ2020相手に追いかける展開は不利。2点差をつけられた後半22分にはFW堀田(悠)の相手との接触が警告に該当するラフプレーと判定され、二枚目のイエローカードで退場処分に。ひとり少なくなったこともあり、反撃の機運はそれ以上高まらず、後半33分に致命的な3失点目を喫し、敗戦という結果になった。
関東大会進出を逃し、可児は今シーズンを次のように振り返った。
「今年は大幅に体制も入れ替えて、関東昇格というところだけをめざしてやってきた。しかし最後、昇格戦に入れなかったことは非常に残念。やはり相手のグレードが上がってきた時になかなか勝ち星を拾えなかったところは、今の我々の実力があらわれていると思う。チームが向かう方向に対して全員がしっかりと理解度高く進んでいき、一人ひとりがサッカーに対して向き合う姿勢とか意識のところをもう一段階上げていかないとずっとこのままだし、変わっていかない」
ただ今年も結果は出なかったが、体制を新たにした上でさらに向上しなければいけないことがわかってきたという面はあるはずだ。
「そうだと思う。昨年の一年間で感じたことを今年に変革することで活かせているという実感があるし、それでうまくいくと思っていたものがうまくいかなかったことによって、ここがうまくいかなかったのだと、そういった発見も生まれた。方向性も少なからず見えてきたところは収穫なので、毎年毎年勝負ではあるが、このように一つひとつ積み上げていくことがすごく大事なのかなと思う」(可児)
試合中に退場者が出たあとも、そして試合後も、集まったサポーターからは前向きな声掛けがあった。昨年と今年、2シーズン分の蓄積を活かし来年に向かっていくことで、2026年はより昇格の可能性を高めてほしい。そう思わされるような、次の挑戦へ向けての出発点とするべき敗戦だった。
(後藤勝)
・TOKYO2020、アローレに3点快勝 関東大会進出決定、自力優勝も王手
東京都社会人サッカーリーグ1部
